点字の勉強は必要?点字利用歴20年の視覚障害者が解説!

点字・白杖・点字ブロック
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見える人にとっては、”視覚障害者は点字が読めるもの”という認識がありますが、実は意外にも低い、点字の識字率。
見えない人や見えにくい人にとって、点字の勉強が必要か否か。
20年以上も点字を使っている視覚障害者の視点で点字の良さをお伝えします!

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点字はフランス人によって考案された

しんば<br>(友人)
しんば
(友人)

点字は英語でブレイル(braille)って言うんでしょ?

よーすけ
よーすけ

うん。点字の考案者がフランス人のルイ・ブレイルさんなんだ。
「点字」という言葉の語源は、その考案者が由来なんだって。
ちなみに、俺はフランスにあるルイ・ブレイルの博物館に行ったことあるよ!
あんまり覚えてないけど(笑)

ルイ・ブライユは5歳で失明したものの、本を読みたいという思いから、15歳の時に6点から構成される点字を世界で初めて発明したそうです。
なんと、今から200年も昔のお話!

見えない人や見えにくい人にとって、文字を持つことや、読み取れることはどれほどの喜びだったのでしょう!
当然ですがこの時代は、音声で本やインターネットを楽しむこともできなかったのですから、私たちが想像する以上に、点字は希望だったのかもしれませんね(文字が文化を発展させるという話もあります。)。

ルイ・ブライユを題材とした書籍をあるので、興味がある方は是非!▼


ルイ・ブライユ 暗闇に光を灯した十五歳の点字発明者 (小学館ジュニア文庫)

点字の識字率は約一割

しんば<br>(友人)
しんば
(友人)

視覚障害者の中で点字を読める人の割合は約12%なんだね。
見えない人は多くの人が読めると思ってたんだけど、意外だった。

ゆーな<br>(妻)
ゆーな
(妻)

駅の階段の手すりや、エレベーターのボタン、トイレの案内図・・・いたるところで点字を目にしますよね。
でも、読める人がさほど多くないのはびっくりです。

ゆふ<br>(友人妻)
ゆふ
(友人妻)

今はパソコンやスマホの音声読み上げ機能もあるし、ボイス・オブ・デイジーみたいに音声で読書が楽しめる時代だからかな~。

よーすけ
よーすけ

うん、ゆふの言うように、機能の進化もあるんだと思う。
点字は指で触って理解する文字だからか、小さい時から訓練をしないと読むのが難しいとも言われている。
途中から見えなくなった人にとっては、ハードルが高いのかもしれないね。

視覚障害者の年齢比率は、以下の記事で紹介しているように、60歳以上の方で7割以上を占めています。

現代は、読み上げソフトなどテクノロジーの進化によって点字を利用する人が少ないかもしれませんね。
また、後天性が多いと言われる視覚障害の中で、特に高齢になってから点字を勉強するということはハードルが高く、識字率の低さの理由にもなっています。

点字を指で読むための訓練とは?

しんば<br>(友人)
しんば
(友人)

よーすけは点字をどうやって読めるようになったの?

よーすけ
よーすけ

医者からは将来視力が低下するって言われてたからか、小学校の時に指で点字を読む訓練をしたよ。
その時はまだ普通の文字も見えてたから、あんまりやる気が出なかったんだけどね~(笑)

ゆふ<br>(友人妻)
ゆふ
(友人妻)

訓練って具体的にはどんな感じなの?

よーすけ
よーすけ

初めは点線の太さや本数の違いを指で理解する訓練をしたよ。
点線が途中で太くなったり、細くなったり、一本が二本になったりする違いを指の感覚で当てるっていう訓練。
そこから、細かな文字の違いを指で理解していく訓練にしていったかな。

点字は指先の触感で、文字を読みとります。
街中で点字に触れたことがある方もいるかもしれませんが、見える人が触っても、なかなか文字ごとの違いに気付きにくい・・大変な作業なんですよね。
点字の点の位置など、細かな違いを認識する必要があるため、やはり訓練が必要になってきます。

ひとりで学べるたのしい点字
「ひとりで学べる楽しい点字」は、点字に興味を持った、または点字のことを知りたいという方にアニメや動画、ゲームなどで点字の仕組みなどを学んでいただくために全視情協が提供している学習システムです。

点字の仕組と特徴

6点の組み合わせで構成されている

点字は、縦3行横2列の点から成り立っています。
上記範囲で、文字によって点が打たれている位置が異なり、その違いにより文字を表ます。
英語で使用するアルファベットも同様です。

表音文字が原則

点字は表音文字なので、カナしかありません
漢字のように文字の違いによって意味を見分けることができないので、一目では意味を理解することが難しい。
文脈から推測するしかないんです。

漢字を点字で表そうと、”漢点字”も考案されていますが、8点の特殊な表記ということもあり、一般的には使用されていないのが現状です。

言語の数だけ種類がある

「点字は万国共通ですか?」という質問を耳にしますが、日本語には日本語の点字が、外国語には外国語の点字があります。
だから、英語を知らないと英語の点字は読めないんです。

点字の仕組みは万国共通ですが、文字が各言語で違うように、点字の表記の仕方も言語によって異なるんですね。

点字を学ぶ意味ってなんだろう?

ゆふ<br>(友人妻)
ゆふ
(友人妻)

現代は、パソコンやスマホを使えば、見えない人や見えにくい人も文字を読み書きすることができるよね。
そうすると、点字を学ぶ必要がなくなったりするの?

よーすけ
よーすけ

う~ん、その質問は難しいな。
俺は点字で試験を受けたり、勉強したり、ノートをとったりしているから、学ぶ価値はあると思っているよ。
けれど、年齢を重ねて失明した人とかは、指先の訓練から始めなきゃいけなくて、ハードルが高いんだよね。

ゆふ<br>(友人妻)
ゆふ
(友人妻)

そうか〜。
絶対無理ってわけではないけど、一歩踏み出すことも必要だし、感覚を掴むまでの時間はやっぱり苦労があるよね。

しんば<br>(友人)
しんば
(友人)

点字で試験って、どうやって回答するの?
試験は、音声読み上げソフトを使って受験できたりもするの?

よーすけ
よーすけ

点字の筆記具があるから、それを使って解答するよ!
紙にポツポツと、自分で点字を打っていくんだ。
パソコンでの受験は、以前に比べたら増えてきたみたいだけど、まだ点字の方が支流な印象かな〜

点字の筆記具はこんな感じ!▼

現代は点字を学ばなくても、パソコンやスマホで文字や文章を認識することができそうですが、まだまだ点字を活用する場面は多いみたい。

実際の試験では、情報を指から仕入れるか耳から仕入れるかの違いになりますが、試験内容によって向き不向きもあるそうです。

目で読むスピードまでは難しいかもしれませんが、長文の問題は、指で確認するよりも耳で聞く方が早い。
一方、英語は、問題文となる文章など、普段聞きなれない言語を耳で聞いてもわからない場合があります。
そういった時には、スペルもしっかりと認識できる点字の方が便利。

見えない人の受ける試験も点字とデジタルを効率よく併用できれば、より心地よく過ごせる世界になりそうですね。

点字から、見えない世界を広げてみよう!

しんば<br>(友人)
しんば
(友人)

点字一つとっても、多くの苦労があるんだね。
見える俺たちからすると、指先で感じ取って文章をキャッチするって、やっぱりすごいな〜って思うよ。

よーすけ
よーすけ

見えない俺からすると、目で文字を読むのはすごいって思うよ(笑)
便利なものは徐々に増えているけど、やっぱり点字ならではの良さもあるかな。
見える人がササッとメモをとるように、点字を知っていると点字でメモもとれるんだよね。

ゆふ<br>(友人妻)
ゆふ
(友人妻)

なるほどー!そういう使い方もあるのか。

よーすけ
よーすけ

パソコンやスマホでメモする方法だけど、入力した文章を耳で聞きながら同時並行で会話しなきゃいけない場面や、同時並行で話をきかなきゃいけない場面だと、聖徳太子のようになっちゃうみたいで・・・
落ち着いて文章を書くことと違うから、大変なんだって。
録音する方法もあるけど、あとで情報を見つけるのに苦労するしね。

ゆーな(妻)
ゆーな(妻)

そうなんだ~。
試験やメモをとれる便利さ、指先の訓練の大変さとか、点字にも良い部分と大変な部分、両方があるんだね。
よーすけの話を聞いて、学んでみると世界も広がるのかなって思ったよ!

点字を読むためには、指先の感覚の訓練がハードルにはなります。
パソコンやスマホで読み書きができるようになった今、点字を学ぶ必要がない場面も多くなっていることも理解できますね。

一方で、点字を知っているからこその良さも多くあるんです。
例えば、駅の階段の手すりに書いてある点字が読めると、今自分がどこにいるのか、この階段を進むとどこに行けるのかがわかる。
点字が読めないと、駅構内のアナウンスで判断する必要があるので、人混みや電車の走る音など、雑音が多いと苦労してしまうんだとか。

点字が読めるからこそ、自分の世界を広げられることもたくさんありますね!

点字以外の手段が社会に浸透することを願いつつも、見える人が文字や感じを学ぶと同じように、点字に親しみをもってもらえる人が増えればな〜と思う今日この頃です♪

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With Blindでは視覚障害者向け、そしてその周囲の人向けにオンラインスクールを提供しています。

オンラインスクールWith Blind – 見えても 見えなくても学べる環境を

 

そして、視覚障害者を含むメンバーで「見えても、見えなくても」をコンセプトに日常や視覚障がいに関する記事を書いています。

その中でも「見える人へ」の記事はぜひ多くの方に読んでいただきたい記事になるので、多くの方に届く協力をよろしくお願いします!

この記事を書いた人

視覚障がい者を含む20-30代の仲良し友人夫婦がコロナをきっかけに自分たちでしか伝えれない内容や周りへ伝えたいこと、そして好きなことを自由に発信してるブログです!
主に「視覚障害について」、「夫婦のこと」、「好きなこと」について発信していきます。
「みえても、みえなくても」を合言葉に4人で楽しみながら、普段の仕事と並行してブログを運営しています♪

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