一般社団法人With Blindが、2024年2月から、視覚障害者向けのオンラインスクール「With Blind」を始めます。
With Blindは、視覚障害者の学びの不平等を解消し、誰もが平等に学べる社会を実現するために、視覚障害者や視覚障害に理解のある講師が、視覚障害者にもわかりやすいように工夫した授業を行うオンラインスクールです。
また、視覚障害がある人の職域の拡大にも挑戦します。
視覚障害がある人の学びの課題
(1)課題
視覚障害者は、学校や塾の授業で、視覚に頼った説明や資料が使われるため、学びの不平等が生じやすいです。
例えば、授業で黒板の板書や教科書の図表が理解できない、実験や実習に参加できない、テストや課題の記述が難しいなど、視覚障害者にはさまざまな困りごとがあります。
このことについては、弱視のライターであるリコさんもブログでお話しされていますので、よければ次の記事もご覧ください。
また、大人になってからも、学びが障壁となって、視覚障害によって職業の選択の幅が狭まってしまうケースも少なくありません。
(2)理由
視覚障害者の学びの不平等が生じる理由は、以下のようなものが挙げられます。
- 学校や塾の授業では、視覚に頼った説明や資料が使われるため、視覚障害者は理解に難儀することがある
- 視覚障害者向けの教材や支援体制が十分に整備されていないため、個々のニーズに応じた学習が難しい
- 視覚障害者に対する偏見や差別によって、学習意欲が低下してしまう
学習意欲の低下については、周囲が無意識に、「見えないから」、「見えにくいから」ということを態度で示している場合です。
先生や親によく見られるという話を聞きますので、意識的に注意が必要です。
オンラインスクールWith Blindの特徴
With Blindでは、以下の工夫をすることで、視覚障害者が学びやすい環境を整えます。
(1)概要
- 視覚障害がある方に対応した教材を可能な限り利用する
視覚障害者が理解しやすいように、音声や点字の教材を多用します。
- 講師が個々の理解度に応じてサポートする
講師は、生徒一人ひとりの理解度やニーズに合わせて、個別にサポートを行います。1対1のライブ講座ですので、きめ細かい配慮が可能です。
- オンラインスクールならではの利点を活かす
オンラインスクールならではの利点を活かして、全国どこからでも受講できるようにします。また、通学する必要がないため、時間や場所の制約を受けにくくなっています。
(2)具体例
With Blindの特徴を、より具体的に説明します。
- 視覚障害に対応した教材を多用する
授業では、音声による説明を基本とし、必要に応じて動画やイラストも使用します。また、拡大文字や点字のほか、音声データや電子書籍としても提供します。ただし、準備ができない場合もあることから、その場合には代替措置を検討します。
例えば、算数の授業では、黒板の板書ではなく、音声で読み上げながら授業を進めます。図形は点字のものを利用することも検討しています。
- 講師が個々の理解度に応じてサポートする
講師は、生徒一人ひとりの理解度やニーズに合わせて、個別にサポートを行います。例えば、質問や相談に丁寧に対応したり、復習の機会を設けたりするなど、生徒が学習を進めやすいように支援します。1対1なので個々のペースに合わせた学習が可能です。
ただ、競争も大切です。定期的に同学年や、同じ目標を持つ方との座談会や複数人での授業を企画します。
【早速確認してみる】
視覚障害児を持つ親のの学びを支えるWith Blind
With Blindでは、視覚障害児の学びを支える取り組みも行います。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- 視覚障害児の親向けの講座や相談会を開催する
視覚障害児の親が、どのように子供に学ばせる環境を準備してよいのか、子供たちもどのように学習を進めていけばよいのかといった悩みや不安を解消できるように、講座や相談会を開催します。
視覚障害当事者として活躍している方を講師に迎えた講座も企画します。多様なロールモデルを知ることで、お子さんの育てる環境を様々な視点から検討してください。
- 視覚障害児向けの教材や支援ツールを開発する
将来的には、視覚障害児がより効果的に学べる教材や支援ツールを開発することで、学習の機会や質の向上を図ります。これは大人向けの教材でも同じです。
具体的な内容
視覚障害児の親向けの講座や相談会では、以下のようなものをテーマとして取り上げます。
- 視覚障害児の学習の特徴や課題
- 視覚障害児の学習環境づくり
- 視覚障害児の学習支援の方法
例えば、音声付きの教科書や、点字や拡大文字で表示される教材、視覚障害児が自宅で学習しやすいように設計された教材などを紹介します。
【運営に必要な寄付に協力する】
誰もが学べる社会を実現するWith Blind
With Blindは、視覚障害者だけでなく、健常者の方にも受講して学びの機会をつかんでいただきたいと考えています。
健常者の方にも、視覚障害者の視点や考え方を理解する機会を提供することで、誰もが理解し合える社会の実現に貢献したいと考えています。
また、視覚障害がなくても、音声で学習を進めたい方々はたくさんいます。
そういった方々にも私たちの講座を提供していければと考えています。
具体的には
With Blindでは、以下のコースを提供します。
- 視覚障害者向けコース
視覚障害者の学びを支援するコースです。小学生から大人まで、さまざまな学習ニーズに対応しています。英語、算数といった基本科目はもちろん、音楽やプログラミングも受講していただけます。
- 健常者向けコース
視覚障害者について学ぶコースです。視覚障害の基礎知識や、視覚障害者との関わり方などを学ぶことができます。
【早速確認してみる】
また、With Blindでは、今後もさまざまな取り組みを通じて、健常者や視覚障害者の学びの機会を拡大し、誰もが平等に学べる社会の実現を目指していきます。
モニター募集
With Blindでは、2024年1月からモニター募集を開始します。
モニターとしてご参加いただいた方には、With Blindの授業を無料で受講していただき、ご意見やご感想をいただくことができます。
モニター募集の詳細は、オンラインスクールWith Blindのウェブサイトをご覧ください。
人数には限りがあります。早めにお申し込みいただけたら幸いです。
当選結果は登録いただいたIDにお知らせします。
まとめ
With Blindは、視覚障害者の学びの不平等を解消し、誰もが平等に学べる社会を実現するために、視覚障害者や視覚障害に理解のある講師が、視覚障害者にもわかりやすいように工夫した授業を行うオンラインスクールです。
視覚障害児の学びを支える取り組みも行っており、視覚障害者だけでなく、健常者の方にも受講して学びの機会をつかんでいただきたいと考えています。
2024年1月からモニター募集を開始しますので、ぜひご参加ください。
また、講師も募集中です!
報酬をもらわないで社会貢献として講師をされている人もいます。
この事業は、視覚障害がある人の学びを支えるとともに、もっと視覚障害者が社会で活躍できる場を創出するものでもあります。
受講料は今後も改定を続けて行く予定です。