全盲パパの可愛い子ども、クリームちゃんが2歳になることを前に、よーすけ家ではプチ旅行を企画することに。
でも、見えないパパの子連れ旅行には、乗り越えなければならない課題が山積。
そこで、今回はどのような観点を重視して旅行を企画したのかをお話しします。
- 重視した条件
- インターネットでも情報収集をしたが最後は対面
- 予算に合う条件で相談
- まとめ
- サフィール踊り子を利用する時の確認事項
- 視覚障害者の子連れ旅行チェックリスト
- 2026年版:視覚障害のある親が子連れ旅行を組み立てる手順
- 最初に決めるのは観光地ではなく「守りたい条件」
- 旅行計画を「出発・移動・滞在・緊急時」に分ける
- 鉄道会社へ伝える内容
- 宿への電話・メールで確認する質問
- 子どもの安全を「見守り」だけに頼らない
- 荷物は「担当」ではなく「定位置」で管理
- 予定変更を成功に変える判断基準
- よくある質問
- まとめ:情報を集める目的は、予定を埋めることではない
- 子連れ旅行の計画を自分の状況に当てはめるワーク
- 情報を確かめる「三つの層」
- うまくいかないときの切り分け
- 問い合わせ文の例
- 家族や支援者と一緒に使うとき
- 公開情報を利用するときの注意
- 読後に行う15分のアクション
重視した条件
私たち家族の属性をお話しすると、夫は全盲。
妻は健常者。
そして1歳の可愛い子どもがいます。
そんな私たち家族が重視した条件は次のとおりです。
- Saphir ODORIKO(サフィール踊り子)で行ける場所で周辺に子どもの遊び場が近くにあるところ
- 宿泊先が最寄り駅から近く送迎があるところ
- 広い部屋が確保できるところ
Saphir ODORIKO(サフィール踊り子)で行ける場所で周辺に子どもの遊び場が近くにあるところ
Saphir ODORIKO(サフィール踊り子)は、伊豆と東京を結び、「宝石のサファイヤのような青く輝く美しい伊豆の海と空をイメージさせ上質・高級で優雅な旅を楽しんでもらいたい」という願いから名付けられた電車です。
見た目もとてもかっこよく、座席はグリーン車以上。
車内にあるカフェテリアでは、ケーキと飲み物、そして食事が楽しめます。
かなり具体的ですが、こんな電車に一度は乗ってみたいと思っていました。なので、この願いを今回の旅行で叶えることにしました。
また、私たちは可愛いクリームちゃんがいるので、旅行では大人だけでなく子どもも楽しめることが重要です。
そこで、周辺地に子供が遊べる場所があるところを中心に旅行先を探すことにしました。
宿泊先が最寄り駅から近く送迎があるところ
マイカーを持っていない私たち家族にとっては、交通の便が良いところが必須条件です。
そして、ベビーカーや着替えを持つことも考えると、できるだけ移動が少ないことがよいなと思っていました。
でも、駅直結の施設なんてないし・・・それではなんだかなと。
そこで、送迎が鉄道駅からある施設がいいなという結論になりました。
広い部屋が確保できるところ
せっかくの旅行なので、部屋の中でもゆっくりくつろぎたいと思っていました。
子連れと言うこともあるので、広くてご近所さんにも迷惑をかけない離れがいいなと話していました。
そこで、離れなどの施設があり、和室と洋室が併設されていて、部屋の中でも走り回れるところを中心に探しました。
インターネットでも情報収集をしたが最後は対面
このような条件を念頭にインターネットで旅行先を探してみることにしました。
でも、伊豆は行ったことがなく、自分たちでも何から探してよいかわからずに時間だけが経過してしまいました。
そうしたところ、買い物で訪れていたショッピングモールに旅行代理店があったので、早速相談することに。
ここでいろいろと条件をお話しして、いざ相談。

さすがプロだったよね。あっという間に目的地が決まったよね。すごくいいところだったし。
予算に合う条件で相談
ここまでいろいろと話していたのですが、一番重要なのは予算です。
湯水のように使えればよいのですが、やはり限界がありました。
そこで、いろいろと価格を見ていく中で、平日に旅行に行くことで予算を抑えることにしました。
結果、これが大成功になったので、詳細は次のブログでお話ししたいと思います。
まとめ
以上、家族3人、全盲のパパの旅行企画の話でした。
視覚障害があること、子どもがいることや、マイカーがないこと、ベビーカーでの移動などを踏まえて企画の段階からいろいろと悩んでいました。
障害があっても、旅行を楽しみたいという方の参考になれば嬉しいです。
2026年更新:サフィール踊り子は現在も運行されていますが、運転日、時刻、料金、座席、車内サービスは変更されます。予約前にJR東日本の公式サイトで確認してください。
サフィール踊り子を利用する時の確認事項
- 全車両がグリーン席で、プレミアムグリーンと1~4名・1~6名用の個室があります
- プレミアムグリーン・グリーン車はえきねっとから予約できますが、個室の購入方法は別に確認します
- カフェテリアのメインメニューは「サフィールPay」での事前予約が推奨され、満席時は当日利用できません
- 駅係員による乗車・乗換案内が必要なら、時間に余裕を持って相談します
- 子どもの年齢、座席の使用、ベビーカー、荷物量を踏まえて座席を選びます
視覚障害者の子連れ旅行チェックリスト
- 駅から宿までの距離、歩道、送迎の予約条件
- 客室の段差、ベッド、浴室、子どもの転落対策
- 食事会場までの案内とアレルギー対応
- おむつ、ミルク、着替えを購入できる場所
- 悪天候や子どもの体調不良時の代替予定
- 旅行保険、キャンセル料、医療機関の連絡先
2026年版:視覚障害のある親が子連れ旅行を組み立てる手順
この旅行計画で難しかったのは、行き先を決めること以上に、「親が見えにくい/見えない状態で子どもの安全を守り、家族全員が無理なく移動できる情報」を集めることでした。写真映え、料理、価格だけでは足りません。駅から宿までの動線、乗り換え、部屋の段差、食事の配置、入浴、夜間の移動、子どもが疲れたときの退避場所まで、一日の流れに沿って考える必要があります。
以下は、当時の体験を2026年の旅行計画に生かすための再現可能な方法です。設備や運行、料金、サービスは変わるため、予約時には必ず交通事業者と施設の公式情報を確認してください。
最初に決めるのは観光地ではなく「守りたい条件」
- 子どもの昼寝・食事・入浴の時間を大きく崩さない
- 乗り換え回数を減らし、親子が離れるリスクを下げる
- 雨でも駅から安全に移動できる代替案を持つ
- 宿で一人になったときも、トイレやフロントへ移動できる
- 見えない親だけに荷物・子ども・経路確認が集中しない
- 予定を一つ減らしても「旅行が失敗」と感じない余白を作る
旅行計画を「出発・移動・滞在・緊急時」に分ける
| 場面 | 事前確認 | 家族で決めること |
|---|---|---|
| 出発 | 駅員への依頼方法、集合場所、トイレ | 遅れた場合の中止基準 |
| 移動 | 乗換時間、ホーム、子どもの座席 | 誰が子ども・白杖・荷物を担当するか |
| 宿 | 入口から客室、段差、食事、浴室 | 到着後に部屋を一緒に確認する |
| 観光 | 足元、混雑、音声案内、休憩場所 | 一つ飛ばす条件を決める |
| 緊急時 | フロント番号、避難経路、医療機関 | 集合場所と連絡方法 |
鉄道会社へ伝える内容
JR東日本は、身体の不自由な利用者向けに設備や案内をまとめています。また、対象区間では乗降介助を事前に申し込む「JREおでかけサポート」も案内されています。ただし、利用可能な駅や列車、申込期限は変わる可能性があります。旅行日、乗車駅、列車、人数、子どもの年齢、白杖・盲導犬・ベビーカー・大きな荷物の有無を整理して問い合わせると会話が具体的になります。
「視覚障害者です」だけで終えず、「階段では子どもと手をつなぎ、白杖を使うため、ホームから改札まで案内を希望」「乗り換えは10分だが幼児連れなので間に合うか」のように、必要な支援を場面で伝えます。家族が同行していても、案内が不要とは限りません。
宿への電話・メールで確認する質問
- 最寄り駅から玄関までの距離、坂、階段、送迎の予約方法。
- 玄関から客室までの経路とエレベーターの有無。
- 客室内の段差、ベッド周り、コンセント、湯沸かし器の配置。
- 部屋の鍵がカード式か物理鍵か、触って向きを確認できるか。
- 食事が配膳式かビュッフェか。料理の位置や内容を説明してもらえるか。
- 大浴場の脱衣所から浴槽までの段差と手すり。家族風呂の有無。
- 子ども用備品、寝具、食事、転落防止柵の予約可否。
- 災害時に客室へ声掛けや誘導をしてもらえるか。
「バリアフリーですか」という一問では、車いす用設備だけを想定した回答になることがあります。必要な場面を分けて聞き、回答者名と確認日を予約メモに残してください。観光庁の「心のバリアフリー認定制度」は、設備だけでなく、研修や情報発信に取り組む施設を確認する一つの入口です。認定の有無だけで自分に合うと決めず、個別条件を確認しましょう。
子どもの安全を「見守り」だけに頼らない
旅先は家具、浴室、窓、ベランダ、寝具の配置が自宅と異なります。こども家庭庁は、子どもの不慮の事故を防ぐ情報を公開しています。到着したら大人二人で部屋を一周し、窓や浴室、ポット、段差、角、非常口を確認します。見えない親が単独で子どもを見る時間があるなら、危険物を一か所に移し、玄関や浴室への移動ルールを家族で共有します。
出典:こども家庭庁「こどもを事故から守る!事故防止ポータルサイト」
荷物は「担当」ではなく「定位置」で管理
白杖、スマートフォン、モバイルバッテリー、子どもの飲み物、着替え、薬、切符類がばらばらになると、出発のたびに探すことになります。バッグごとに役割を決め、使ったら同じポケットへ戻します。スマートフォンには旅程、宿の電話、予約番号、駅への依頼内容を一つのメモにまとめ、家族と共有します。紙の控えも一部持つと、電池切れや通信障害に備えられます。
予定変更を成功に変える判断基準
子どもが眠い、雨が強い、駅が混雑している。そんなときに予定を守ろうとすると、家族全員の負担が増えます。「昼食が1時間遅れたら午後の観光をやめる」「雨なら駅から宿へ直行」「親のどちらかが疲労を5段階で4と答えたら休憩」と、数値や状況で判断基準を決めておきます。観光地を一つ減らしても、安全に宿へ着き、家族で食事を楽しめれば旅行の目的は達成できます。
よくある質問
家族が同行する場合も駅の案内を頼めますか?
必要な支援は同行者の有無だけで決まりません。利用する鉄道会社へ、子連れであることと具体的な困難を伝え、対応可能な範囲を確認してください。
宿の口コミに「バリアフリー」とあれば十分ですか?
十分とは限りません。口コミ投稿者の条件と自分の条件は異なります。駅からの経路、客室、食事、浴室、災害時対応を施設へ直接確認しましょう。
子どもに親の目の代わりを頼んでもよいですか?
年齢に応じた小さな協力は家族の経験になりますが、安全確認や案内の責任を子どもへ集中させない計画が重要です。駅員、施設スタッフ、同行する大人、道具を組み合わせます。
まとめ:情報を集める目的は、予定を埋めることではない
視覚障害のある親の子連れ旅行では、情報量より「一日のどの場面で、誰が、何に困るか」を具体化することが大切です。守りたい条件を決め、交通と宿へ場面別に質問し、家族の役割と中止基準を共有する。そうすれば、見えないことを理由に旅行を諦めるのでも、無理に予定をこなすのでもない、家族らしい選択ができます。本記事の伊豆高原計画が、次の旅行を組み立てる土台になれば幸いです。
子連れ旅行の計画を自分の状況に当てはめるワーク
ここまで読んで「参考にはなったが、自分の場合に何をすればよいか分からない」と感じる人もいるでしょう。情報を行動へ変えるには、視覚障害のある親が家族と安全に旅行するという前提を一度言葉にし、交通、宿、子どもの安全、疲労を一つずつ分けて考えます。次の欄をメモ帳へコピーし、分かるところだけ書いてください。空欄が残った部分が、公式窓口や経験者へ確認する質問になります。
【実現したいこと】いつ、どこで、何をしたいか
【自分の条件】見え方、使用する支援技術、同行者、予算
【すでに確認したこと】公式情報、説明書、体験談
【まだ分からないこと】操作、安全、費用、支援の範囲
【最初に試すこと】今日できる小さな行動
【中止・相談の基準】無理をせず専門窓口へ切り替える条件
情報を確かめる「三つの層」
第一層は公式情報です。制度、仕様、料金、営業、対応OSなど、変更される事実を確認します。第二層は当事者の体験です。実際にどこで迷い、どんな工夫で進めたかを知ります。第三層は自分での確認です。同じ障害名でも、見え方、端末、経験、家庭環境は異なります。公式情報だけでは生活場面が見えず、体験談だけでは現在の仕様を保証できません。三つを重ねることで、判断の精度が上がります。
確認日を残すことも重要です。「2026年8月に公式ページで確認」「2024年の本人の体験」「自分はiPhoneとVoiceOverで試した」のように、事実の時点と条件を区別します。後で内容が変わっても、どこを再確認すべきか分かります。
うまくいかないときの切り分け
- 環境:時間、場所、通信、混雑、同行者の有無を確認する。
- 道具:端末、アプリ、製品、資料の版や設定を確認する。
- 手順:どの操作まではでき、どの操作で止まったかを一文にする。
- 情報:説明が画像だけ、固有名詞が不明、条件が省略されていないかを見る。
- 支援:自分で続けるか、家族、スタッフ、公式窓口、専門職へ相談するかを決める。
「全部できない」とまとめず、最後に成功した地点を見つけます。駅までは行けるが乗換時間が不足する、宿には着けるが浴室の配置が不明、というように分けます。この記録を相手に伝えれば、同じ説明を最初から繰り返す負担も減ります。
問い合わせ文の例
公式ページを確認したうえで質問します。私は視覚障害があり、音声読み上げを利用しています。〇〇を行いたいのですが、△△の工程で表示内容を確認できません。利用環境は□□です。代替手順、事前に依頼できる支援、当日相談できる窓口があれば教えてください。回答の対象となる版・日付もお願いします。
相手に障害の一般論を説明してもらうのではなく、実現したい行動と止まった工程を伝えます。回答は担当者名と日付とともに保存し、重要な内容は当日に再確認してください。
家族や支援者と一緒に使うとき
支援する側は、本人に代わって結論を決める前に、選択肢と客観情報を伝えます。「こちらがよい」ではなく、「Aはこの条件、Bはこの条件。どこを詳しく知りたい?」と尋ねます。本人も、すべてを一人で行うことだけを自立と考えず、必要な部分へ具体的に支援を組み合わせられます。主体が本人にあることと、援助を受けないことは同じではありません。
公開情報を利用するときの注意
ブログ、SNS、口コミは貴重ですが、投稿者の条件、確認日、広告・提供の有無が分からない場合があります。強い断定や不安をあおる表現だけで判断せず、一次資料へ戻ります。運行は鉄道会社、施設設備は宿、子どもの安全はこども家庭庁などを確認します。個人の体験を否定する必要はありませんが、一つの体験をすべての視覚障害者へ当てはめないことが大切です。
読後に行う15分のアクション
- この記事から自分に関係する項目を三つ選ぶ
- 公式サイトを一つ開き、更新日と条件を確認する
- 分からない点を一問だけ文章にする
- 家族・窓口・経験者のうち誰に聞くか決める
- 確認した日と答えをメモし、次の人へ伝えられる形にする
情報が古いと分かったら、記事全体を無視すべきですか?
いいえ。出来事と本人の経験は当時の記録として価値があります。現在も変わり得る制度・価格・仕様だけを公式情報で更新し、体験から得られる判断軸と分けて読みます。
自分と違う見え方の人の工夫も使えますか?
そのまま再現できなくても、質問の作り方、道具の定位置化、工程の分割、支援依頼など応用できる部分があります。違いを消さず、何が共通し何が異なるかを確認してください。


