「映画館の座席まで一人でたどり着けるか不安だった」「スーパーで似たパッケージの商品を間違えてしまった」「郵便物や役所の書類の小さな文字が読めず、手続きを後回しにしてしまった」——視覚障害がある方の暮らしには、周囲からは見えにくい困りごとがたくさんあります。
もちろん、時間をかければ一人でできることもあります。けれども、「今すぐ確認したい」「安全に移動したい」「誰かの目があれば、もっと早く、もっと正確にできる」と感じる場面も少なくありません。
大切なのは、すべてを一人で頑張ることではありません。同行援護、居宅介護、重度障害者等就労支援、オンライン学習、便利アプリ、AIグラスなどを組み合わせて、自分に合った支援体制を作っておくことです。
この記事では、視覚障害者・視覚障碍者の外出、暮らし、仕事、学び、情報アクセスを支えるサービス・ツールを6選として紹介します。一般社団法人With Blindの同行援護・居宅介護・オンラインスクールに加え、同行援護事業所おとも、ガイドヘルパーズ、株式会社mitsuki、ブイリーチ、Be My Eyes、Ray-Ban Metaなど、今知っておきたい選択肢を具体的に整理します。
この記事で分かること
- 視覚障害者が使える同行援護・居宅介護・就労支援の違い
- With Blindが行う外出支援・暮らしの支援・学びの支援
- おとも、ガイドヘルパーズ、みつきなど外出支援サービスの特徴
- オンラインスクールWith Blindやブイリーチなど、視覚障害者向け学習支援の選択肢
- 複数の障害福祉サービス事業所と契約しておくべき理由
- AIグラス、Ray-Ban Meta、Be My Eyes、Be My AIの今後の可能性
視覚障害者向けサービスは、ひとつの制度やひとつのアプリだけで完結するものではありません。外出には同行援護、自宅での生活には居宅介護、仕事には就労支援、学びにはオンラインスクール、情報確認にはアプリやAIグラスというように、目的に合わせて使い分けることが大切です。
特に外出支援は、事業所ごとに対応地域、得意な外出内容、予約方法、ガイドヘルパーの空き状況が異なります。ひとつの事業所だけに頼るのではなく、複数の障害福祉サービス提供事業者と契約し、必要なときに必要な支援を受けられる状態を整えておくことが、安心して暮らすための大切な備えになります。
1.外出を支えるサービス|同行援護・ガイドヘルパー
同行援護は、視覚障害により移動に困難がある方が外出するときに、ガイドヘルパーが同行し、移動に必要な情報提供や移動の援護を行う障害福祉サービスです。
単に「目的地まで連れて行く」だけではありません。駅のホームや改札の状況を伝える、店内の商品を一緒に確認する、飲食店でメニューを読む、病院や役所で書類の内容を確認するなど、視覚情報を補いながら、本人の意思決定と社会参加を支えるサービスです。
同行援護で利用しやすい場面
- 通院、薬局、役所、銀行、郵便局などの手続き
- スーパー、ショッピングモール、家電量販店などでの買い物
- 映画館、美術館、コンサート、スポーツ観戦などの余暇活動
- 友人との食事、地域イベント、交流会への参加
- 初めて行く場所への移動や、工事などで普段の道が変わっているとき
With Blindの同行援護・外出支援
一般社団法人With Blindは、視覚障害児・視覚障害者の学び、外出、暮らし、働くことを支える団体です。With Blindでは、同行援護をはじめ、安心して外出するための支援に取り組んでいます。
With Blindの同行援護では、「行きたい場所に行く」「必要な用事を済ませる」「地域や社会とつながる」ことを大切にしています。たとえば映画館であれば、チケット発券機の操作、スクリーン番号の確認、座席までの移動、売店での購入などを相談できます。スーパーであれば、商品の場所、値段、賞味期限、色、サイズ、パッケージの違いなどを確認しながら買い物ができます。
公式サイト:一般社団法人With Blind
他にも知っておきたい外出支援サービス
外出支援は、地域や目的によって使いやすい事業所が変わります。With Blindだけでなく、他の同行援護事業所やマッチングサービスも知っておくと、外出の選択肢が広がります。
- 同行援護事業所おとも:東京都の同行援護・ガイドヘルパー派遣を行う事業所です。東京23区を中心に、視覚障害者の外出支援を行っています。
同行援護事業所おとも - ガイドヘルパーズ:視覚障害者とガイドヘルパーをつなぐマッチングサービスです。外出したい人が、Web上でガイドヘルパーを探し、依頼しやすい仕組みを提供しています。
ガイドヘルパーズ - 株式会社mitsuki:首都圏と香川県で同行援護事業所を運営し、同行援護従業者養成研修や同行援護業務支援システムなども展開しています。
株式会社mitsuki 会社情報
なお、おとも、ガイドヘルパーズ、みつきは、主に同行援護・外出支援に関するサービスとして紹介しています。居宅介護が必要な場合は、With Blindなど居宅介護に対応している事業所や、お住まいの地域の居宅介護事業所と別途契約しておくことが大切です。提供範囲や対応地域は変わることがあるため、利用前に各事業所へ確認しましょう。
複数の事業所と契約しておくメリット
- 急な予定に対応しやすい:ひとつの事業所が難しくても、別の事業所に相談できます。
- 外出内容に合わせて選べる:通院、買い物、余暇、旅行など、得意な支援に合わせやすくなります。
- 地域をまたぐ外出に備えられる:自宅周辺と都心部など、複数地域で相談先を持てます。
- 支援者との相性を確認できる:説明の仕方や歩く速度など、自分に合う支援者に出会いやすくなります。
ただし、複数契約をしても、自治体から支給された時間を超えて使えるわけではありません。同じ時間帯に複数の事業所を重複して利用することもできません。支給量、利用目的、請求の扱いについては、相談支援専門員、自治体、各事業所と確認しながら利用しましょう。
2.自宅での暮らしを支えるサービス|居宅介護・家事援助
外出だけでなく、自宅の中にも視覚障害による困りごとはあります。たとえば、郵便物の内容確認、書類の整理、調理中の火加減や食材の確認、洗濯物の色分け、掃除後の確認、家電の表示確認などです。
居宅介護は、自宅で入浴・排せつ・食事等の介護、調理・洗濯・掃除などの家事、生活に関する相談や助言などを行う障害福祉サービスです。視覚障害者の場合、身体介助だけでなく、視覚的な確認が必要な家事や生活上の確認が大きな支援になります。
視覚障害者が居宅介護で相談しやすいこと
- 郵便物、学校や職場からの書類、行政文書の確認
- 調理前の食材確認、賞味期限確認、火元や調理器具の安全確認
- 洗濯物の色分け、服の組み合わせ確認
- 掃除が行き届いているか、床に危険物がないかの確認
- 日用品の在庫確認、買い物リスト作成
- 家電の表示や設定の確認
民間の家事代行と違い、居宅介護は「障害によって日常生活に必要な行為が難しい部分」を支える福祉サービスです。そのため、何でも代わりにやってもらうサービスではなく、本人の生活を維持し、自立を支えるための支援として計画されます。
With Blindで相談したい生活上の困りごと
- 郵便物や書類がたまってしまい、内容確認が追いつかない
- 子育て中で、家事や安全確認の負担が大きい
- 料理や掃除を続けたいが、見えにくさによる不安がある
- 外出支援だけでなく、自宅での暮らしも含めて相談したい
- 同行援護と居宅介護をどのように使い分ければよいか知りたい
居宅介護と家事代行の違い
| 項目 | 居宅介護 | 民間の家事代行 |
|---|---|---|
| 目的 | 障害による日常生活上の困難を補い、自立を支える | 家事を代行し、時間や労力を減らす |
| 費用 | 障害福祉サービスとして原則1割負担・月額上限あり | 原則として全額自己負担 |
| 対象 | 支給決定を受けた本人の生活に必要な支援 | 契約内容に応じた家事全般 |
| 内容 | 調理、洗濯、掃除、生活上の確認など | 掃除、整理収納、作り置き、大掃除など幅広い |
同行援護に強い事業所と、居宅介護に対応できる事業所は必ずしも同じではありません。外出と自宅での暮らしの両方に困りごとがある場合は、複数の障害福祉サービス提供者と契約し、必要なときに必要な支援を受けられる体制を整えておくことが重要です。
3.仕事を支えるサービス|重度障害者等就労支援
視覚障害者が働くうえでは、通勤や職場内での情報確認が大きな課題になることがあります。たとえば、初めての出張先への移動、職場内の書類確認、会議資料の確認、ホワイトボードや画面共有の内容把握などです。
通常の同行援護は、経済活動にあたる通勤や業務時間中の支援には使えない場合があります。そこで自治体によっては、重度障害者等就労支援特別事業により、通勤や職場等における必要な支援を受けられる場合があります。
就労支援で相談したい場面
- 通勤経路に不安があり、一定期間同行してほしい
- 職場で紙の書類や掲示物の確認が必要
- 会議資料、ホワイトボード、画面共有の内容を確認したい
- 業務上の外出や出張で視覚的な情報支援が必要
- 自営業で、仕事に必要な移動や確認を支援してほしい
この制度は自治体によって実施状況や対象条件が異なります。利用を検討する場合は、まずお住まいの市区町村に「重度障害者等就労支援特別事業を実施しているか」「同行援護利用者も対象になるか」「通勤・職場支援の範囲はどこまでか」を確認しましょう。
With Blindでは、視覚障害者の就労、キャリア、ICT活用、自分らしい働き方を支える取り組みも進めています。外出支援、暮らしの支援、学びの支援とあわせて、働く場面でどのような支援が必要かを整理することも大切です。
4.学びを支えるサービス|オンラインスクールWith Blind・ブイリーチ
視覚障害者向けの支援は、外出や生活支援だけではありません。近年は、視覚障害のある子どもから大人まで、自宅にいながら学べるオンライン学習サービスも広がっています。
かつては、視覚障害がある子どもが学校の勉強を補いたいと思っても、地域に視覚障害を理解した塾や講師が少なく、学習支援につながりにくいことがありました。大人になってからも、パソコン、スマートフォン、英語、仕事に役立つスキル、AI活用などを学びたいと思っても、「視覚障害に対応した学びの場が見つからない」という課題がありました。
しかし今は、オンラインで学べる環境が少しずつ整ってきています。地域に関係なく、視覚障害の特性を理解した講師とつながり、自分に合った方法で学べるサービスが増えていることは、とても大きな変化です。
オンラインスクールWith Blind|子どもから大人まで学べるオンラインスクール
オンラインスクールWith Blindは、視覚障害のある幼児、小学生、中学生、高校生、社会人までを対象に、オンラインで学びを支えるサービスです。
学校の勉強だけでなく、英語、数学、国語、ICT、点字、スマートフォン、パソコン、生成AI、仕事に役立つ学びなど、幅広いテーマを扱っています。視覚障害者当事者や、視覚障害への理解がある講師が関わることで、単に知識を教えるだけではなく、見えない・見えにくい状態でどのように学ぶかまで一緒に考えられることが特徴です。
- 子どもの学習支援:小学生・中学生・高校生の国語、算数、数学、英語などの基礎学習
- 視覚障害に合わせた学び方:点字、拡大文字、音声教材、テキストデータ、スクリーンリーダーの活用
- ICT・スマホ・パソコン:VoiceOver、画面読み上げ、キーボード操作、Word、Excel、インターネット活用
- 仕事やキャリアにつながる学び:生成AI、ビジネススキル、文章作成、情報収集、業務効率化
- 大人の学び直し:英語、趣味、健康、コミュニケーション、社会参加につながる講座
公式サイト:オンラインスクールWith Blind
ブイリーチ|目が見えない・見えにくい方専門のオンライン個別指導塾
ブイリーチ(vreach)は、目が見えない・見えにくい方専門のオンライン個別指導塾です。スクリーンリーダー、拡大文字、点字などを用いながら、生徒一人ひとりの特性に合わせた方法で学習を進めるサービスとして紹介されています。
視覚障害のある児童・生徒の場合、一般的な塾では、黒板、図表、プリント、紙の教材、視覚的な説明を前提に授業が進んでしまうことがあります。そのため、内容そのものが難しいのではなく、教材や教え方が視覚情報に偏っているために学びにくいということもあります。
ブイリーチのように、視覚障害に特化したオンライン個別指導塾があることで、地域に専門的な塾がない場合でも、自宅から学習支援につながりやすくなります。また、視覚障害を経験してきた講師や、視覚障害への理解がある講師と出会うことは、学力面だけでなく、進学や将来を考えるうえでも心強い支えになります。
- 視覚障害に対応した個別指導塾を探している小学生・中学生・高校生
- スクリーンリーダー、点字、拡大文字を使いながら勉強したい人
- 学校の授業や教材が視覚情報中心で、学習に困りごとがある人
- 進学や受験に向けて、視覚障害に理解のある講師から学びたい人
- 地域に視覚障害に対応した塾が少なく、オンラインで学びたい人
公式サイト:ブイリーチ
視覚障害がある子どもにとって、学習支援は単なる成績向上のためだけにあるものではありません。自分に合った教材の使い方、音声や点字での情報整理、ICT機器の活用、分からないことを質問する力、周囲に必要な配慮を伝える力など、将来につながる力を育てる機会でもあります。
また、大人にとっても学びは重要です。見え方が変化した後にスマートフォンやパソコンを学び直すこと、AIを使って仕事の幅を広げること、英語や資格、趣味を学ぶことは、社会参加やキャリア形成に直結します。
5.情報アクセスを広げるツール|AIグラス・Ray-Ban Meta・Be My Eyes
近年、視覚障害者向けのテクノロジーとして特に注目されているのが、AIグラスです。なかでもRay-Ban Meta(レイバン メタ)をはじめとするMeta AI Glassesは、カメラ、マイク、スピーカー、AIアシスタントを搭載したスマートグラスとして、視覚障害者・ロービジョンの方の情報アクセスを広げる可能性があります。
AIグラスというと、「目の前に何があるかを説明してくれる道具」と考えられがちです。もちろん、商品のラベル、郵便物、家電の表示、周囲の状況などを確認できることは大きな価値です。しかし、今後期待されるのはそれだけではありません。
AIグラスは、視覚障害者が外出・買い物・移動・仕事・家事・学びを行うときに、必要な情報をその場で受け取るための“身につける情報支援ツール”へ進化していく可能性があります。
Be My Eyes、Be My AI、Ray-Ban Metaの連携で期待できること
Be My Eyesは、視覚障害者やロービジョンの方が、スマートフォンのカメラを通じてボランティアや企業窓口、AIから視覚的な支援を受けられるサービスです。アプリ内のBe My AIでは、画像の説明や、画像についての質問もできます。
さらに、Be My EyesはMeta AI Glassesとの連携を進めています。Ray-Ban MetaなどのAIグラスを使うことで、スマートフォンを手に持ってカメラを向ける必要が少なくなり、メガネに搭載されたカメラを通じて、目の前の状況を共有しやすくなります。
- 郵便物や書類の内容を確認する
- 冷蔵庫の中身や食品のパッケージを確認する
- 洗濯物の色や服の組み合わせを確認する
- 家電の表示、ボタン、設定画面を確認する
- スーパーやコンビニで商品を探す
- 駅や建物の中で、案内表示や周囲の状況を確認する
- 外出先で「今、自分の前に何があるのか」を把握する
特に大きいのは、両手が空くことです。白杖を持っているとき、盲導犬と歩いているとき、荷物を持っているとき、調理中や片付け中など、スマートフォンを手で構えて使うことが難しい場面は多くあります。AIグラスなら、顔の向きに近い視点で情報を共有できるため、より自然な形で支援を受けられる可能性があります。
ナビゲーション機能への期待
米国では、Meta Ray-Ban Displayにおいて、一部都市で歩行者向けナビゲーション機能がベータ提供されています。目的地までの徒歩ルートを案内し、メガネ上の表示や音声によって移動を支援する機能です。
このような機能が日本でも広がれば、視覚障害者の外出はさらに便利になる可能性があります。初めて行く駅、商業施設、病院、イベント会場などで、現在地、進行方向、周辺施設の情報を得やすくなるかもしれません。
ただし、現時点ではAIグラスのナビゲーションを、白杖、盲導犬、歩行訓練、同行援護の代わりとして考えるのは早いでしょう。工事現場、段差、混雑した駅、車や自転車の接近など、安全に直結する場面では、人による支援や既存の歩行技術が今後も重要です。
AIグラスは、同行援護に置き換わるものではなく、同行援護や歩行技術を補うものとして考えるのが現実的です。たとえば、事前に目的地周辺を確認する、同行援護の待ち合わせ場所を把握する、外出先でちょっとした表示を確認するなど、制度による支援とテクノロジーを組み合わせることで、外出の安心感は高まりやすくなります。
今すぐ全員が購入すべき段階とは限らない
一方で、AIグラスはまだ発展途上の技術です。日本語対応、ナビゲーション機能の提供地域、電池持ち、通信環境、プライバシー、価格、サポート体制、修理対応など、購入前に確認すべき点は多くあります。
特に視覚障害者が安全に外出するための道具として考える場合、AIの説明が常に正しいとは限らないことにも注意が必要です。AIが看板を読み間違える、距離感を正確に伝えられない、危険物や段差を見落とす可能性もあります。命や安全に関わる場面では、AIグラスだけに頼らず、白杖、盲導犬、歩行訓練、同行援護などと組み合わせることが大切です。
そのため、現時点では「視覚障害者はすぐにAIグラスを購入すべき」と言い切るよりも、今後の進化を見守りながら、自分の生活に合うタイミングで検討するという考え方が現実的です。
公式サイト:Be My Eyes
関連情報:Be My Eyes on Meta AI Glasses
6.日常の確認を助ける便利アプリ|Seeing AI・UDCast・Eye Navi・Vi-log
同行援護や居宅介護はとても心強い制度ですが、すべての場面に人の支援を入れることは現実的ではありません。ちょっとした確認や、その場で知りたい情報には、アプリやAIも役立ちます。
- Seeing AI:短い文字、書類、バーコード、人物、風景などを読み上げるAIアプリです。書類確認や買い物前の確認に役立ちます。
Seeing AI(App Store) - UDCast:映画や映像作品の音声ガイドを楽しむためのアプリです。映画館での体験を広げてくれます。
UDCast(App Store) - VoiceOver / TalkBack:スマートフォンを音声で操作するための標準機能です。メール、地図、予約、決済など、生活全体の基盤になります。
- Eye Navi / Google マップ:歩行や経路確認に役立つナビゲーションサービスです。一人歩きや同行援護前の下調べにも使えます。
Eye Navi公式サイト - Vi-log:視覚障害者向けの商品、場所、アプリ、サービスなどのレビューを共有できる情報サービスです。実際の使用感を知る入口になります。
Vi-log
アプリは便利ですが、万能ではありません。信号、工事現場、混雑した駅、初めての建物、危険を伴う移動では、人による同行援護のほうが安全な場面もあります。アプリで確認できること、人の支援が必要なことを分けて考えることが大切です。
サービスを使い始めるための実践チェックリスト
「制度があることは分かったけれど、何から始めればよいのか分からない」という方は、次の順番で整理してみてください。
- 困っている場面を書き出す:外出、家事、書類、通勤、仕事、買い物、子育て、学びなどに分ける
- 市区町村に相談する:同行援護、居宅介護、就労支援の対象になるか確認する
- 受給者証の内容を確認する:支給時間、サービス種別、負担上限額を確認する
- 複数の事業所に問い合わせる:対応地域、空き状況、得意な支援、予約方法を聞く
- 契約しておく:すぐ使わなくても、必要なときに依頼できる状態にしておく
- 学びの相談先も持つ:学校の勉強、ICT、AI、進学、キャリアなど、目的に合ったオンライン学習を探す
- 予定は早めに共有する:通院、イベント、旅行、学校行事などは分かり次第相談する
- アプリも準備する:Be My Eyes、Be My AI、Seeing AI、地図アプリなどを日常的に練習しておく
- AIグラスは情報収集を続ける:対応地域、日本語対応、安全性、価格、サポート体制を確認しながら検討する
事業所への問い合わせ時に伝えるとよいこと
- 住んでいる地域、最寄り駅
- 障害福祉サービス受給者証の有無
- 使いたいサービス種別(同行援護、居宅介護、就労支援など)
- 利用したい曜日・時間帯
- 主な利用目的(通院、買い物、余暇、仕事、家事、学びなど)
- 見え方、歩行方法、白杖・盲導犬・スマホ利用の有無
- 必要な配慮(音声での説明、ゆっくり歩く、段差説明、文字確認など)
参考リンク:制度・サービスの公式情報
- 厚生労働省|障害福祉サービスの内容
- 厚生労働省|障害者の利用者負担
- 一般社団法人With Blind 公式サイト
- オンラインスクールWith Blind
- ブイリーチ
- 同行援護事業所おとも
- ガイドヘルパーズ
- 株式会社mitsuki 会社情報
- Be My Eyes公式サイト
- Be My Eyes on Meta AI Glasses
- Meta Ray-Ban Display FAQ
まとめ:視覚障害者向けのサービスとツールは、今まさに進化している
視覚障害があると、外出、家事、書類確認、通勤、仕事、学び、余暇活動など、日常のさまざまな場面で視覚情報の不足が壁になることがあります。
でも、その壁は一人で抱え込む必要はありません。同行援護を使えば外出の選択肢が広がります。居宅介護を使えば、自宅での暮らしを整えやすくなります。重度障害者等就労支援を使えれば、働く場面での可能性も広がります。オンラインスクールWith Blindやブイリーチのような学びの場を活用すれば、子どもから大人まで、自分に合った方法で学び続けることができます。
さらに、Be My Eyes、Be My AI、Seeing AI、AIグラス、Ray-Ban Metaなどのテクノロジーも進化しています。AIグラスについては、今すぐすべての視覚障害者が購入すべき段階とは限りませんが、今後の発展によって、外出、買い物、家事、仕事、学びの場面で、より便利な情報アクセスの手段になることが期待されます。
大切なのは、ひとつのサービスだけに頼らないことです。With Blindのように外出・暮らし・学び・働くことを総合的に支える団体に相談しつつ、おとも、ガイドヘルパーズ、みつき、ブイリーチなど、地域や目的に合ったサービスも知っておく。複数の事業所と契約し、必要なときに必要な支援を受けられる体制を整えておくことが大切です。
それは「誰かに頼る」ためだけではなく、自分の行きたい場所へ行き、自分の暮らしを選び、自分らしく学び、働き続けるための準備です。
視覚障害がある子どもから大人まで、今、使えるサービスやツールはどんどん進化し、拡充しています。支援を必要とする人が声を上げ、事業者や支援者が新しいサービスを作り、テクノロジーがさらに便利になり、それを利用した人の経験がまた次の改善につながっていく。そんな良い循環が、少しずつ、しかし確実に生まれています。
With Blindでは、視覚障害のある方やご家族、支援者の方からのご相談を受け付けています。同行援護、居宅介護、学び、仕事、情報収集など、どこに相談すればよいか分からないことも、まずはお気軽にお問い合わせください。


