
世の中の情報の多くは「見える」人向けに作られており、約9割の視覚障害者が重要な情報や視点が足りていない、と感じています。
2023年1月、私たちWith Blindは、『Vi-log』というサービスを通じて、そんな視覚障害者や知りたい情報が見つからない人向けに、重要な情報を項目化し、投稿と閲覧を可能にしました。
そんなサービスの開発と設計は、様々なバックグラウンドを持つ開発者が支えてくれています。
この記事をとおして、これからのアクセシビリティの推進と様々な製品開発に役立つ情報を届けられれば嬉しいです。
- 『Vi-log』とは?
- 『Vi-log』はどう発音するの?
- サービスの利用は無料?
- 『Vi-log』でできること
- 『Vi-log』の使い方や登録方法
- 『Vi-log』はどんな人たちが開発しているの?
- 『Vi-log』ではUIやUXを担当するデザイナーも募集中!
- もっともっと使ってもらいたい
- まとめ
- Vi-logのレビューを役立てる書き方
- 2026年版:Vi-logを初めて使う人のための実践ガイド
- 閲覧から始める5ステップ
- 質問を具体的にするテンプレート
- 役立つレビューを投稿する6要素
- 「できた」だけでなく、どこでつまずいたかを残す
- 投稿前のセルフチェック
- 企業・開発者がVi-logから学べること
- よくある質問
- まとめ:一人の「知りたい」を、次の人が選べる情報へ
- Vi-logの検索・投稿を自分の状況に当てはめるワーク
- 情報を確かめる「三つの層」
- うまくいかないときの切り分け
- 問い合わせ文の例
- 家族や支援者と一緒に使うとき
- 公開情報を利用するときの注意
- 読後に行う15分のアクション
『Vi-log』とは?
『Vi-log』は、障害者や知りたい情報がなく困っている人向けの総合レビューサービスです。商品や施設、そしてiOSのアプリなどの情報について、誰でもレビューが投稿・閲覧できます。
私たち一般社団法人With Blindが運営して、必要な情報を「可視化」=「見える化」することをコンセプトにしています。

『Vi-log』はどう発音するの?
『Vi-log』は「ビーログ」と発音します。
見える化や可視化を表す英語の「Visualization」と、履歴や情報の蓄積を表す「Log」とを組み合わせて作った名称です。
コンセプトを名称に組み入れることにこだわって名付けました!

ごくたまに、「ヴイ ログ」と呼ぶ人がいるんだけど、「ビーログ」なんですと修正するんだよね。覚えてもらえたら嬉しいなという気持ちで。
サービスの利用は無料?
はい、サービスの利用は現在のところ無料です。
ユーザー登録も無料でしていただけます。
ただし、サーバー費などの費用がかかるため、当団体への寄付やスポンサーを随時募集しています。

『Vi-log』でできること
『Vi-log』では、以下のことができます。
- 商品、場所、アプリ別に知りたい情報を得る
- あなたが使ってよかった商品やアプリ、行ってよかった場所について情報を提供する
- 健常者や障害別に属性を登録してレビューしたり検索したりする
- 商品を購入したり、場所をマップで検索したり、アプリをダウンロードしたりする
- 気になるものや、欲しいものは「お気に入り」に登録する
『Vi-log』の使い方や登録方法
『Vi-log』の使い方や登録方法は、公式ページで詳しく説明しています。

スマホでも、パソコンでも使えるウェブアプリです。
動画でも説明しています!
同じ商品やアプリを使う仲間の間で質問することもできます。役立つレビューやコメントをした人にはお礼の通知も届くようになっています。
『Vi-log』はどんな人たちが開発しているの?
『Vi-log』は、一般公開している今も、様々な思いと熱意を持つ開発者によって開発が進められています。全ての開発者は本業を持ち、普段はとても忙しい方々ばかりです。
時間の合間をみて、できる部分をどんどん作っていってくださっています。
<開発秘話はこちらの音声コンテンツでも紹介>
エンジニアのの中には、「今は障害はないけど、もしかしたら将来、自分や子ども、大切な家族が視覚障害者になるかもしれない。そんな将来に使えるサービスとして『Vi-log』があったら便利だと思った」という参加の理由を話してくれた方がいました。
「自分は視覚障害者に街中で声を掛けることができる勇気はないけど、自分が持っているスキルで手助けができるなら参加したい」と話してくれた人もいます。
「偶然、視覚障害児と一緒に活動したことがきっかけで、こんな世界があることを知った。自分も何か手伝えればと思った」と話してくれた人もいます。
「アクセシビリティについてずっと興味を持っていたけど、本業では携わることができていない。『Vi-log』でその部分も勉強していきたいと思う」という話をしてくれた人もいます。
「誰もが使えるサービスは絶対大事だと思っていた。『Vi-log』はそんな考えに合致するサービスだと思ったので手伝おうと思った。」という若い開発者もいます。
思いや参加するきっかけは人それぞれですが、皆さんとても熱意を持って取り組んでくれています。
『Vi-log』ではUIやUXを担当するデザイナーも募集中!
『Vi-log』では、UIやUXを担当するデザイナーも募集しています。
使いやすさや、ユーザー体験は最も私たちが重視する部分です。
次のページの内容をご覧いただき、興味がありましたらぜひお問合せフォームからご連絡ください。

もっともっと使ってもらいたい
これまで『Vi-log』のサービスや携わる開発者について紹介してきました。
おかげさまで、『Vi-log』は現在も多くの人に使っていただいていますが、まだまだ情報が不足しています。
「私の体験や知識が役立つのかな?」「こんな情報でもいいかな?」「少しでも投稿してみようかな」と感じた方は、次のリンクから『Vi-log』にアクセスして投稿してみてください。
まとめ
『Vi-log』は、障害者や知りたい情報がなく困っている人向けの総合レビューサービスです。
商品や施設、そしてiOSのアプリなどの情報について、誰でもレビューが投稿・閲覧できます。私たち一般社団法人With Blindが運営し、必要な情報を「見える化」することをコンセプトにしています。
『Vi-log』は現在も多くの人に使っていただいていますが、まだまだ情報が不足しています。皆さんからの情報が財産になり、誰かの役に立ちます。引き続き『Vi-log』とWith Blindをよろしくお願いします。
Vi-logのレビューを役立てる書き方
- 製品・アプリ名、機種、OS、確認日を記載する
- 全盲・弱視などの見え方だけでなく、利用した支援技術を書く
- できた操作と、できなかった操作を分ける
- 回避方法やメーカーの対応があれば追記する
- 価格や提供状況は変わるため、公式情報へのリンクを確認する
Vi-logは、一般的な星評価だけでは分からないアクセシビリティ情報を共有する場です。個人の体験を尊重しながら、条件を具体的に書くことで検索する人が自分に近いレビューを判断しやすくなります。
2026年版:Vi-logを初めて使う人のための実践ガイド
ここからは、サービスの背景を知った読者が実際に一歩を踏み出せるように、利用場面を具体化します。ある製品を前に「ボタンが見えないから使えるか分からない」と感じたとき、一般的なレビューの「便利」「デザインがよい」だけでは判断できません。Vi-logでは、障害や利用環境に関係する条件を添えて、必要な情報に近づくことを目指しています。
閲覧から始める5ステップ
- 困りごとを一文にする:「音声で温度を確認できる体温計を探している」のように、商品名より目的を先に決めます。
- カテゴリーを選ぶ:商品、場所、アプリのうち近い入口から探します。
- 条件が近いレビューを読む:全盲、弱視、VoiceOver、TalkBackなど、自分と近い条件を確認します。
- 日付と型番を見る:アプリや製品は更新されるため、レビュー時点と現在の仕様を区別します。
- 足りない情報を質問する:「使えますか」ではなく、初期設定、ボタン、エラー復旧などを一つずつ尋ねます。
質問を具体的にするテンプレート
【探しているもの】〇〇
【利用環境】iPhone/Android/Windowsなど
【見え方・支援技術】全盲でVoiceOverを使用、弱視で拡大表示を使用など
【知りたい場面】初回設定、毎日の操作、エラー時の復旧
【試したこと】説明書を検索したが、運転状態の確認方法が分からなかった
【質問】音だけで運転開始と終了を区別できますか
この形なら回答する人も状況を想像しやすくなります。個人情報や住所、医療情報を必要以上に書かないことも大切です。
役立つレビューを投稿する6要素
| 要素 | 書く内容 | 読者への価値 |
|---|---|---|
| 対象 | 正式名称・型番・アプリ版 | 別製品との混同を防ぐ |
| 利用者 | 見え方と支援技術 | 条件の近さを判断できる |
| 場面 | いつ、どこで、何をしたか | 操作を再現できる |
| よかった点 | 確認できた具体的な機能 | 購入理由が分かる |
| 困った点 | 読まれない箇所や補助が必要な工程 | 事前準備ができる |
| 日付 | 確認年月 | 情報の古さを判断できる |
「できた」だけでなく、どこでつまずいたかを残す
アクセシビリティ情報では、成功結果だけを書くより、解決までの道筋を残す方が役立つことがあります。たとえば「登録画面の画像認証で止まった」「家族に一度だけ確認を頼んだ」「その後は音声だけで利用できた」という記録です。必要な支援がゼロでなかったとしても、どの工程に何分の補助が必要か分かれば、読者は準備できます。
AppleはVoiceOverを音声や点字で画面情報を説明する機能として案内し、GoogleはTalkBackをAndroid端末の操作を支援する機能として案内しています。ただし、支援技術があることと、すべてのウェブサイトやアプリが完全に操作できることは同じではありません。端末・OS・ブラウザー・サービス側の実装の組み合わせを記録してください。
投稿前のセルフチェック
- 推測ではなく、自分が確認した事実を中心に書いたか
- 「視覚障害者は」と一括りにせず、自分の条件を示したか
- 製品名、型番、OS、確認日を間違えていないか
- 個人名、住所、注文番号などを含めていないか
- 批判だけで終わらず、困った操作と改善案を具体化したか
- メーカー公式情報で現行仕様を確認したか
企業・開発者がVi-logから学べること
投稿は、単なる満足度の点数ではありません。「ラベルのないボタン」「色だけで示す状態」「タイムアウトが短い認証」「説明書が画像PDF」といった利用上の障壁を発見する手掛かりです。企業は一件のレビューを個人の特殊事情として片づけず、同じ工程で困る人がいないか、設計・テスト・サポートの三方向から確認できます。
改善後には、何をいつ変えたかを公開し、当事者と再テストすることが重要です。アクセシビリティは公開時の一回だけで完成するものではなく、更新のたびに確認を続ける品質管理です。
よくある質問
登録せずに使えますか?
閲覧できる範囲と投稿に必要な手続きは変更される可能性があります。最新の案内はVi-log公式画面で確認してください。本記事にある「無料」は掲載時点の案内であり、将来を保証するものではありません。
視覚障害がなくても投稿できますか?
サービスは知りたい情報が見つからず困っている人を広く想定しています。どの立場でも、確認した事実と利用条件を明確にし、当事者を代弁する表現を避けると有用なレビューになります。
古いレビューは役に立ちませんか?
当時の機能や困りごとを知る記録として役立ちます。ただし購入や導入の判断では、現行型番・最新アプリ・公式サポートと照合してください。
まとめ:一人の「知りたい」を、次の人が選べる情報へ
Vi-logの価値は、情報がなかった場面を、条件付きの具体的な体験で埋めていくことにあります。まずは困りごとを一文にし、近い条件のレビューを読み、足りなければ具体的に質問する。使った後は、型番・環境・日付・つまずき・解決を残す。この循環が続けば、「誰かに選んでもらう」しかなかった場面を、「自分で比較して選べる」場面へ変えていけます。
Vi-logの検索・投稿を自分の状況に当てはめるワーク
ここまで読んで「参考にはなったが、自分の場合に何をすればよいか分からない」と感じる人もいるでしょう。情報を行動へ変えるには、レビューを探す人と投稿する人が互いの条件を尊重するという前提を一度言葉にし、検索語、型番、利用環境、確認日を一つずつ分けて考えます。次の欄をメモ帳へコピーし、分かるところだけ書いてください。空欄が残った部分が、公式窓口や経験者へ確認する質問になります。
【実現したいこと】いつ、どこで、何をしたいか
【自分の条件】見え方、使用する支援技術、同行者、予算
【すでに確認したこと】公式情報、説明書、体験談
【まだ分からないこと】操作、安全、費用、支援の範囲
【最初に試すこと】今日できる小さな行動
【中止・相談の基準】無理をせず専門窓口へ切り替える条件
情報を確かめる「三つの層」
第一層は公式情報です。制度、仕様、料金、営業、対応OSなど、変更される事実を確認します。第二層は当事者の体験です。実際にどこで迷い、どんな工夫で進めたかを知ります。第三層は自分での確認です。同じ障害名でも、見え方、端末、経験、家庭環境は異なります。公式情報だけでは生活場面が見えず、体験談だけでは現在の仕様を保証できません。三つを重ねることで、判断の精度が上がります。
確認日を残すことも重要です。「2026年8月に公式ページで確認」「2024年の本人の体験」「自分はiPhoneとVoiceOverで試した」のように、事実の時点と条件を区別します。後で内容が変わっても、どこを再確認すべきか分かります。
うまくいかないときの切り分け
- 環境:時間、場所、通信、混雑、同行者の有無を確認する。
- 道具:端末、アプリ、製品、資料の版や設定を確認する。
- 手順:どの操作まではでき、どの操作で止まったかを一文にする。
- 情報:説明が画像だけ、固有名詞が不明、条件が省略されていないかを見る。
- 支援:自分で続けるか、家族、スタッフ、公式窓口、専門職へ相談するかを決める。
「全部できない」とまとめず、最後に成功した地点を見つけます。検索結果がない場合は、商品名だけでなく目的や操作場面へ言い換えます。この記録を相手に伝えれば、同じ説明を最初から繰り返す負担も減ります。
問い合わせ文の例
公式ページを確認したうえで質問します。私は視覚障害があり、音声読み上げを利用しています。〇〇を行いたいのですが、△△の工程で表示内容を確認できません。利用環境は□□です。代替手順、事前に依頼できる支援、当日相談できる窓口があれば教えてください。回答の対象となる版・日付もお願いします。
相手に障害の一般論を説明してもらうのではなく、実現したい行動と止まった工程を伝えます。回答は担当者名と日付とともに保存し、重要な内容は当日に再確認してください。
家族や支援者と一緒に使うとき
支援する側は、本人に代わって結論を決める前に、選択肢と客観情報を伝えます。「こちらがよい」ではなく、「Aはこの条件、Bはこの条件。どこを詳しく知りたい?」と尋ねます。本人も、すべてを一人で行うことだけを自立と考えず、必要な部分へ具体的に支援を組み合わせられます。主体が本人にあることと、援助を受けないことは同じではありません。
公開情報を利用するときの注意
ブログ、SNS、口コミは貴重ですが、投稿者の条件、確認日、広告・提供の有無が分からない場合があります。強い断定や不安をあおる表現だけで判断せず、一次資料へ戻ります。サービスの現行機能はVi-log公式、支援技術はAppleやGoogleの公式情報を確認します。個人の体験を否定する必要はありませんが、一つの体験をすべての視覚障害者へ当てはめないことが大切です。
読後に行う15分のアクション
- この記事から自分に関係する項目を三つ選ぶ
- 公式サイトを一つ開き、更新日と条件を確認する
- 分からない点を一問だけ文章にする
- 家族・窓口・経験者のうち誰に聞くか決める
- 確認した日と答えをメモし、次の人へ伝えられる形にする
情報が古いと分かったら、記事全体を無視すべきですか?
いいえ。出来事と本人の経験は当時の記録として価値があります。現在も変わり得る制度・価格・仕様だけを公式情報で更新し、体験から得られる判断軸と分けて読みます。
自分と違う見え方の人の工夫も使えますか?
そのまま再現できなくても、質問の作り方、道具の定位置化、工程の分割、支援依頼など応用できる部分があります。違いを消さず、何が共通し何が異なるかを確認してください。


