【行政や身近な手続きまで】視覚障害者におすすめのオンライン手続きをまとめてみました

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見えない・見えにくい私たちにとって、紙書類での手続きには障壁がありました。

  • 「文字が見えないので、誰かに代筆してもらわなきゃ!」
  • 「文字や記入する欄が小さいので、拡大読書器を使わなきゃ」!

といった悩みを抱えていました。

もし、手続きがスマホやパソコンでできるのであれば、こうしたハードルが下がるんです。

今回は、おすすめできるオンライン手続きも紹介します!

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1.オンライン手続きのメリット

①自力で完結できる

スマホやパソコンでオンラインで手続きができるのであれば、音声画面読み上げソフトや画面拡大ソフトを用いて、視覚障害者が自力で手続きができる可能性が高まります。

紙の書類では、どこに書いていいかわからないし、どんな書類なのかも認識できないことが多いです。

点字で概略を書いてくれていたり、スマホの文字認識アプリで概略が理解できたりしますが、正しい位置に自力で文字が書けない全盲の私にとっては、その先に進むことができなかった。

いつも誰かに書いてもらったり、読んでもらったりしていました。

誰かに頼むというのは、頼まれる方にとっても、頼む方にとっても大変。

互いの時間も調整しなきゃいけません。

「健常者は一人でできるのに、見えない・見えにくいばかりに、誰かに頼らなきゃ手続きもできないなんて…悔しい」と感じていました。

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一方で、オンライン手続きはそんな悩みや心配を一挙に解決して、自力で手続きができる道を切り開いてくれました

だから、視覚障害者でもできるように、きちんとアクセシビリティを順守したものがどんどんと増えていけばいいのになと願っています。

②自宅でゆっくり手続きができる

二つ目のメリットは、自宅で手続きが完結できることです。

対面手続きだと、次のような不安や心配があります。

  • 初めて行く場所がわからない
  • 並んでいる列がわからなくて不安
  • 受け付けてくれる方が視覚障害に理解がなかったら嫌だなと心配

混雑していると、あまりゆっくりと時間をかけて書類を代読・代筆してくれない可能性もあります。

「自宅でオンラインで手続きができれば、こうしたストレスを感じなくてもすむし、どんなに楽だろうな」と感じていました。

私ができるオンラインの手続きでは、自宅でゆっくりと自分のペースで記載ができるし、内容を確認できるので、とても便利に使っています。

初めての場所に行くことを心配する必要もないので、その浮いた時間を他のことに使えるし、とても嬉しい!

③見直しが簡単にできる

これまでの紙の手続きでは、自分で見直すこともできなく、口頭で代読してもらっていました。

代読で何度も確認してもらうのは、読み手にとっても、聞き手にとってもとても大変なこと。

重要なところは繰り返し読んでもらわなきゃいけないし、その人がいなくなった後は、自力で見直すこともできない。

これを防ぐためには、メモを取っておくことぐらいしか方法はありませんでした。

「健常者は簡単にコピーも取れるし、写真で保存もできるからうらやましいな」と感じていました。

でも、オンライン手続きでは、様々な方法で自分が行ったものを後から見直すことができます。とても便利です。

2.オンライン手続きでの障壁

そんな良いことばかりのオンライン手続きですが、まだまだ乗り越えなければならない障壁も残っています。

①アクセシブルではない

最も大きな障壁は、そのオンライン手続きがアクセシブルではないことです。

例えば、音声画面読み上げソフトでうまく読み上げなかったり、文字のコントラストがはっきりしていなかったり…アクセシビリティに配慮したものになっていないことがあります。

よく出会うケースをまとめました!

入力すべき項目を読み上げない

アクセシビリティに準拠した入力フォームであれば問題がないのですが、そうではないものだと、何を入力していいのかわからず困ってしまいます。

電話番号を入力するフォームなのか、住所を入力するフォームなのかは、アクセシビリティに配慮してきちんと明記していると助かります。

入力の不備を赤字でしか表していない

入力した項目に不備がある場合に、音声読み上げソフトでその不備が確認できないケースはよく見受けます。

どの入力が誤っているかが冒頭に赤字できちんと記載されていればよいのですが、単に赤色で誤っている箇所が示されているだけだと、色の違いがわからない視覚障害者にとってはとても困ってしまいます。

そうすると手続きを前にすすめることができなく、断念するほかありません。

入力例が言葉で示されていない

「カナ」としか書かれていないと、全角のカタカナで書けばいいのか、ひらがなで書けばいいのか、半角のカタカナで書けばいいのか迷ってしまうケースもあります。

健常者は、質問が「カナ」であれば、カタカナで入力するし、「かな」と記載されていればひらがなで入力するのだと思いますが、視覚障害者にとってはこの二つの違いを判別するのに時間を要する場合があります

なので、「全角カタカナ」と記載している手続きだと非常に助かります。

②ハンコや書名を求められる

入力はウェブフォームでして、それを印刷して、ハンコや書名をして郵送しなければならない手続きにもしばしば出会います。

このような手続きでは、入力までは自力でできるのに、その後は見える人に頼らざるを得ない。

せっかく手続きをオンラインでしているのだから、押印や書名も省略してほしいものです。

法律やルールでそうなっているのであれば、早くそれらが見直されるといいなと強く願います。

③本人確認として画像データの提出を求められる

これもしばしば出会うケースですが、本人確認書類を画像でアップロードしなければならないオンライン手続きも散見されます。

あらかじめ本人確認書類を画像データでもっていて、それをアップロードすればよい手続きであればまだよいのですが、顔を撮影することを求められたり、目線を合わせることを求めたり、画像の解像度を編集することを求めたりすることも何回かありました。

せっかくマイナンバーカードがあるのだから、マイナポータルを使って、タッチすれば本人確認を済ませたことにしてほしいなと願うばかりです。

本人しか知り得ないパスワードの入力もあることですし、それでできるようにしてほしいものです。

3.おすすめ手続き:行政手続き

ここからは、私が体験して便利だと思ったオンライン手続きを紹介。

①暮らしに身近な手続き

多くの自治体では、住民票の写しがオンライン手続きとオンライン納付で取得できるようです。

コンビニでの発行に比べて、50円高くなるという欠点はあるものの、自宅で手続きができ、家まで郵送してくれるのだからとても便利です。

それに、コンビニでの手続きだと、画面が見えない私は自力で難しい。

私も実際にオンライン手続きも体験しましたが、とても便利でした。

他にも、転出・転入届がオンラインでできたりするようです。

私が住んでいる自治体では、印鑑証明はオンラインで取り寄せられなかったので、これもできるようになるといいなと願っています。

②証明書の申請手続き

これも便利だと思ったオンライン手続きの一つ。

私が住んでいる自治体では、戸籍もオンラインで申請することができました。

それも、音声画面読み上げソフトを用いて自力でできたんです。

現住所と本籍がかなり遠かったので、オンラインで手続きができたのはとても便利でした。

※お住いの自治体でこのような手続きがオンラインでできるかは、「お住いの自治体名 やりたい手続き名 オンライン手続き」といった検索キーワードで探してみると見つけられます!

また、法人の登記証明もオンラインで申請ができるので、わざわざ法務局に行かなくても取得できました。

<参考>

登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと
登記・供託オンライン申請システムは、不動産登記、商業・法人登記、動産譲渡登記、債権譲渡登記、供託、成年後見登記及び電子公証に関する手続をオンラインにより申請するシステムです。

③税務上の手続き

確定申告や法人の各種手続きがE-taxでできるのでとても便利です。

音声画面読み上げソフトでの手続きには少し工夫もいりますが、慣れればとても便利。

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4.おすすめ手続き:ネットショッピング

スーパーやちょっとした買い物をインターネットで済ませることができるのもとても便利。

特に、これだと決まっているものを買う場合には、わざわざ店に行かなくても自宅まで届けてもらえるのでとても重宝しています。

過去にまとめた記事があるので、ぜひそちらをご覧ください。

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5.おすすめ手続き:銀行や証券会社

私は、楽天銀行、みずほ銀行のネットバンクアプリと、松井証券のアプリを使っています。

オンライン上で各種手続きができるので、わざわざ銀行に行かなくてもいいですし、ATMもほぼ使わなくなりました。

紙書類でのやり取りもほぼないため、とても便利に使っています。

アプリは、音声読み上げソフトにもかなりの部分が対応しています!

<追加情報>

NEOBANK 住信SBIネット銀行では、視覚障害者向けの電話窓口があるそうです。

こういうサービスが広がっていくといいですね。

お電話でのお問合せ | お問合せ・お手続き | NEOBANK 住信SBIネット銀行
カスタマーセンターに寄せられるよくあるお問合せの中から、お客さまが困ったときに役に立つ情報をご案内します。

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6.おすすめ手続:宅配・再配達・不在通知

私もそうですが、文字が読めない・読みにくい方にとって、ポストに入っている不在通知が読めないことがネックで、再配達の依頼が単独でできないことが悩みの一つでした。

また、荷物の受け取り時に配達員に聞かないと、誰から荷物が届いたのかがわからないことも。

しかし、ヤマト運輸、佐川急便、郵便サービスのそれぞれのサービスでは次のような機能がウェブやRhineでできたりします。

  • 送り状がオンラインで書ける(印刷不要の場合もある)
  • 集配の手続きがオンラインでできる
  • 不在通知と再配達の手続きがオンラインでできる
  • 誰から荷物が来るのかがメールなどで通知される

これらのサービスは、原則登録は無料なのでおすすめ!

まとめ

私が便利だと思ったオンライン手続きを紹介してみました。

様々な手続きをオンラインで済ませることにより、少しでも私たち視覚障害者にとって便利な世の中になればなと願っています。

他方、いろんな事情から、対面での手続きが必要な視覚障害者もいることにも思いをはせたいです。

誰もが便利な世の中になりますように。

まだまだ便利なオンライン手続きは募集中です。

よければ、ぜひ教えてください!

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With Blindでは視覚障害者向け、そしてその周囲の人向けにオンラインスクールを提供しています。

オンラインスクールWith Blind – 見えても 見えなくても学べる環境を

 

そして、視覚障害者を含むメンバーで「見えても、見えなくても」をコンセプトに日常や視覚障がいに関する記事を書いています。

その中でも「見える人へ」の記事はぜひ多くの方に読んでいただきたい記事になるので、多くの方に届く協力をよろしくお願いします!

この記事を書いた人
ようすけ

With Blindの視覚障がいがある、ちょっと面白い(本人談)男性

年齢:30代
出身地:大阪府
好きなもの:アイス、ポテチ、揚げ物、カルピス(←そのためちょい太りぎみ)

中学生の頃、病気で目が見えなくなるが、その後1人で世界一周旅行をするなど、人生をenjoyしている。
普段はブラインドサッカーを楽しむ。
夜は10時に寝て朝5時に起き、出勤途中でスタバでコーヒーを飲むという、なんちゃっておしゃれを楽しんでいる。

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