【見える人へ】視覚障害者の街中での困りごとは?視覚障害者(白杖ユーザー)が本音で語ります

見える人へ
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全盲で白杖をもって街を歩いていると、見える人では体験しない様々なことに出くわします。

また、「視覚障害がある人ってどんなことに困っているの?」、「どんな風にされたら嬉しい?」と聞かれることも。

そこで、今回は見える人に役立つ情報を一挙に紹介してみます。

※視覚障害者もいろいろなので、あくまで一例として参考にしていただけると嬉しいです!

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「信号が青ですよ」というちょっとした声がけがとてもうれしい

音のなる信号機のイラスト
音のなる信号機
※画像はイメージです。

街中で横断歩道で信号待ちをしていて、青になった瞬間がわからない時があります。

信号が見えない私は、同じ方向に進む車が動いていれば、歩行者の信号も青なんだなと判断します。

ただ、そうじゃない横断歩道も時々あるんです。

①具体的な場面は?

  • 同じ方向に進む車は赤なのに歩行者の信号は青という横断歩道
  • 十字路でない横断歩道
  • 音のなる信号であっても時間によって音がならないように設定されている横断歩道など

②どんなことが嬉しい?

そんなとき、見える人から「今目の前の歩行者信号は青ですよ」と言ってもらえるととてもうれしいです。

他の人が渡っていることを音で判断して渡ることもあるのですが、信号無視をしているのではないかと不安になることも多いです。

それに、朝はみんな忙しいし、視覚障害者に声をかけている時間なんてないのかもしれません。

でも、一言声をかけて渡ってくれる人がいると、朝からとても心が温かくなります。

そして何よりも、自信をもって信号を渡ることができるのは嬉しい。

とても嬉しい声がけの一つです。

声がけでは「大丈夫ですか」よりも「何かお困りですか?」が嬉しい

嬉しいことに、街中で声をかけてもらうケースがとても多くなったように感じます。

電車の駅や、テレビ、そして新聞などで「視覚障害者への声がけ」に関する紹介も増えているせいなのかもしれません。

視覚障害当事者がSNSやこうしたブログなどで紹介していることも影響を与えているのかもしれません。

そんな声をかけてもらう場面で少し戸惑うことがあります。

①具体的な場面は?

  • 「大丈夫ですか?」と声をかけてもらう場面
  • 「わかりますか?」と声をかけてもらう場面など

②どんなことが嬉しい?

見ず知らずの私に声をかけてもらうこと自体がとてもありがたいことです。

そして、そんな親切な行為に対して何かを言うのは適切でないのかもしれません。

しかし、「大丈夫ですか?」と聞かれたら、反射的に「大丈夫です」と答えてしまうんです。

「わかりますか?」と聞かれたら、「はい」と考える間もなく言ってしまうんです。

困ってるときほど、もしかしたらこういう風に言ってしまうことが多いかもしれません。

なぜかはここでは割愛しますが、こういう風に答えてしまう人は、見える・見えないに関係なく多いように思います。

なので、「何か困っていますか?」や、「手伝えることはありますか?」といったように、私から具体的な言葉を引き出す質問をしていただけると大変うれしいです。

見える人からすると不安な歩行でもその裏には理由がある

点字ブロックの上を歩く白杖ユーザー
点字ブロックの上をあるく白杖ユーザー
※画像はイメージです。

白い杖をもって歩いている人を見ると、「大丈夫かな?」と心配になる場面や、障害物にぶつかりそうになっている場面に出くわすことも多いのではないでしょうか。

でも、ちょっと待ってください。

最後まで読んでいただくと、意外な発見があるんです!

①具体的な場面は?

  • 「あ、危ない!」と声を思わず出してしまう
  • 咄嗟にエスカレーターでなく階段やエレベーターを誘導するなど

②どんなことが嬉しい?

以外に思えるかもしれませんが、白杖で歩行をしている人たちにとって、障害物が目印なんです。

壁や柱を頼りに歩いたり、自動販売機を頼りに角を曲がったり、エスカレーターの方が階段やエレベーターよりも楽だったりします。

なので、障害物とわかっていてその方向に歩いていることもありますし、わざと障害物にぶつかることもあります。

それがヒントだからです。

階段よりも危なそうなエスカレーターですが、体力的にも楽で、慣れればエスカレーターも問題なく乗れるので私はいつも使っています。

もちろん、私のようにボケっと歩いていて、障害物にぶつかってしまう視覚障害者もいます。

多くの場合は壁や柱が歩く手がかりなので、慌てず、まずは見守ったり、その人の声を聞いたりしていただけると嬉しいです。

ただ、本当に危なそうなときには迷わず声がけをしていただけると助かります。

初対面で根掘り葉掘り聞かれてしまうと困ることがある

白杖をもって歩いている視覚障害者は街中でもあまり目にしませんので、出会ったらいろいろと聞きたいこともあるかもしれません。

それに、その人たちの人生は、自分が生きてきた人生とも異なるので、面白い話も聞けるかもしれません。

ただ、注意が必要なんです。

①具体的な場面は?

  • 街中で「いつから目が見えなくなったんですか?」と聞かれる場面
  • 「見えないと大変ですね」と憐れんでくださる場面
  • 「努力家ですね」と褒めちぎられる場面など

②どんなことが嬉しい?

私は人と話すのが大好きだし、いろんな人と話して世界を広げたいと感じています。

それに褒められることはとても嬉しいです。

しかし、街中で出会う人に、全ての心を開いて自分の人生を話せるまでのレベルにはまだ達していません。

まだまだ小さい人間なのかもしれません。

なので、一緒に歩く場面では、話題は一般的なことにして、あまり私の深い部分を聞かないでいていただけると嬉しいです。

頑張って生きているし、すごい努力もしているのですが、初対面の人に褒められると、シャイなので恥ずかしくなっちゃうんです!(笑)

「大変ですね」と聞かれても、「そうですね」としか言えず…、申し訳なくて!

「もっと強く握っても大丈夫ですよ」と言われたら困っちゃう

白杖を持つ人を女性が誘導しているイラスト
白杖を持つ人を誘導する人
※画像はイメージです。

街中で肘をつかんで誘導いただく場面があります。

私は肩に手を添えさせてもらうよりも、肘をつかませていただくことが多いです。

そんな誘導の場面で、反応に困ってしまうことが…

①具体的な場面は?

「もっと強く握ってください」と言われたり、後ろから肘を掴まれたりするなど

②どんなことが嬉しい?

誘導の際に肘を掴ませていただいている理由は、見える人が歩く感覚を肘を通じて理解するためです。

松葉杖代わりではありません。

なので、強く握る必要はあまりありません。

もっとも、視覚障害者の中には強く握る方もいらっしゃるかもしれませんが、私の場合は肘に手を添えさせていただく程度で、階段や目の前の地面の情報の理解には十分です。

もしかしたら、私の手の添え方がくすぐったいために、「もっと強く握って」とお願いされたのかもしれませんね(笑)。

親切がわからなく悲しいことがある

ときどき静かに席を譲ってくださる方や、道を避けてくださる方がいらっしゃいます。

とても親切で嬉しいことです。

ただ、それに気が付かない場面が多いです。

①具体的な場面は?

  • バスや電車で無言で席を譲ってくださる場面
  • 私に声をかけてくれているのかがわからない場面
  • 指を刺して教えてくれているのに気が付かない場面など

②どんなことが嬉しい?

私は電車やバスでは、短時間の場合には扉の近くで立っているのが大好きです。

暑がりなので、涼しい風が入るのと、外の空気が好きだからです。

それに、人混みの中を歩いて扉まで行かずに下車できるのも大きいです。

なので、席を譲っていただいても、お礼を伝えてお断りすることの方が多いのですが、無言で譲っていただいた場合には、そのことにも気が付かずお礼すら言えないので悲しいです。

「白杖をもっている方、よければお座りになりますか?」や、「向かって右斜め前の席があいています」などと具体的に教えていただけると嬉しいです。

まとめ

今回は、白杖をもって歩いていて、街中で出くわす場面での本音を取り上げました。

もしかしたら、「声がけしてもらえるだけでもありがたく思え」や、「上から目線で書くな」というご批判もあるかもしれません。

この記事が、そのように読めてしまったのであれば申し訳ございません。

一方で、「白杖をもつ方を見かけても、どのようにしていいかわからない」という声をとても多く聞いていたので、私がしてもらえてうれしいことを文字でまとめてみることにしました。

本音で具体的に書いていますので、お役に立てると嬉しいです。

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With Blindでは視覚障害者を含むメンバーで「見えても、見えなくても」をコンセプトに日常や視覚障がいに関する記事を書いています。

その中でも「見える人へ」の記事はぜひ多くの方に読んでいただきたい記事になるので、多くの方に届くと嬉しいです!

この記事を書いた人
ようすけ

With Blindの視覚障がいがある、ちょっと面白い(本人談)男性

年齢:30代
出身地:大阪府
好きなもの:アイス、ポテチ、揚げ物、カルピス(←そのためちょい太りぎみ)

中学生の頃、病気で目が見えなくなるが、その後1人で世界一周旅行をするなど、人生をenjoyしている。
普段はブラインドサッカーを楽しむ。
夜は10時に寝て朝5時に起き、出勤途中でスタバでコーヒーを飲むという、なんちゃっておしゃれを楽しんでいる。

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