※本記事の構成・文章とアイキャッチ画像の制作には生成AIを使用し、With Blindが内容を確認しています。災害時は、自治体、気象庁、消防、警察などの公的機関が発信する最新情報を優先してください。
この夏、With Blindのよーすけは、千葉県での大雨により被害を受けました。いつもの道や暮らしが、大雨によって急に安全ではなくなること。必要な情報を早く受け取ること、避難するかどうかを判断すること、周囲と連絡を取り合うことの難しさ。その経験を通して、防災は災害が起きてから考えるものではなく、日頃から自分に合う方法を準備しておくことが大切だと、あらためて実感しました。
この記事は、その経験をきっかけにまとめたものです。特定の災害や地域だけに限らず、地震、台風、大雨などに備えるため、視覚障害のある人が今日から確認できる具体的な方法を紹介します。
地震や大雨が起きたとき、スマートフォンは情報収集、家族への連絡、現在地の確認などに役立ちます。一方で、停電で充電できない、通信が混み合う、画面上の地図や色分けされた情報を読み取れないといった問題も起こります。
特に視覚障害のある人にとって、いつも使えているスマートフォンが災害時にも同じように使えるとは限りません。だからこそ大切なのは、新しいアプリをたくさん入れることではなく、「音声だけでも必要な操作ができる」「通信がなくても最低限の情報を確認できる」「スマートフォンが使えない場合の代替手段がある」という状態を、平常時につくっておくことです。
9月1日の「防災の日」と、8月30日から9月5日までの「防災週間」を前に、今回はスマートフォンを中心とした備えを10項目に整理しました。全部を一度に行う必要はありません。できるところから、一つずつ確認してみてください。
被災経験から感じた「三つの備え」
大雨のように状況が短時間で変わる災害では、準備する時間が十分に残されているとは限りません。よーすけの経験から、特に重要だと感じたのは次の三つです。
- 情報の備え:警報や避難情報を、音声読み上げなど自分が確認できる方法で受け取る
- 電源の備え:停電や長時間の避難でも、連絡手段をできるだけ維持する
- 人との備え:困ったときに誰へ連絡し、どのような支援を頼むかを事前に決める
防災用品を買いそろえるだけでなく、必要な情報にたどり着けるか、実際に連絡できるか、安全に移動できるかを試しておくことが大切です。以下の10項目は、この三つの備えを具体的な行動にしたものです。
1.緊急情報を受け取れる設定にする
まず、緊急速報や自治体の防災情報が届く設定になっているか確認しましょう。スマートフォン本体の緊急速報に加え、住んでいる自治体のメール配信や公式アプリがあれば登録しておくと、情報源を増やせます。
通知が多すぎると重要な情報を見落としやすくなるため、すべてのアプリの通知を有効にする必要はありません。「緊急速報」「自治体」「天気・防災」など、災害時に必要な通知を優先して残すのがポイントです。読み上げが長くなりすぎないよう、不要な通知を整理しておくことも備えの一つです。
2.読み上げ・拡大機能をすぐ呼び出せるようにする
VoiceOverやTalkBackなどの画面読み上げ、拡大、色反転、コントラスト調整といったアクセシビリティ機能は、災害時にも重要です。普段は使っていない機能でも、見え方が変化した場合や、暗い場所で操作する場合に役立つことがあります。
ショートカットで起動する方法、音量を調整する方法、イヤホンと本体スピーカーを切り替える方法を試しておきましょう。家族や支援者にも起動方法を共有しておくと、設定が変わったときに助けを求めやすくなります。
3.連絡先と必要情報をオフラインでも確認できるようにする
通信障害が起きると、クラウド上の連絡先やウェブページを開けない場合があります。家族、支援者、かかりつけ医、勤務先、自治体などの連絡先は、端末内にも保存しておきましょう。
氏名、住所、緊急連絡先、服用している薬、アレルギー、必要な配慮を短くまとめた「緊急時メモ」をつくり、スマートフォン内と紙の両方で持つ方法もあります。紙には大きな文字、点字、触って分かる印など、自分に合う方法を選びます。個人情報を含むため、保管場所や記載範囲は慎重に決めてください。
4.安否確認の方法を家族と決める
災害直後は電話がつながりにくくなることがあります。政府広報では、災害用伝言ダイヤル「171」や災害用伝言板「web171」などが案内されています。
「電話がつながらなければ171を使う」「毎時00分に同じ連絡手段を確認する」「自宅に戻れない場合の集合場所を決める」など、簡単なルールを家族や支援者と共有しましょう。171は、毎月1日と15日、防災週間などに体験利用できる日があります。音声案内に沿って録音・再生する練習を一度しておくと安心です。
5.電池を使い切らない仕組みをつくる
スマートフォンが使えなくなる大きな原因の一つが電池切れです。モバイルバッテリーは、持っているだけでなく、充電されているか定期的に確認しましょう。端子の種類が合うケーブルも必要です。
災害時には画面の明るさを下げる、省電力モードを使う、不要な通信やアプリを停止するといった工夫が有効です。ただし、緊急情報を受け取るための通信まで切らないよう注意してください。乾電池式ラジオや、スマートフォン以外の時計も用意しておくと、電池を節約できます。
6.避難場所までの移動を「一度、実際に」確かめる
地図アプリで避難場所を登録するだけでは、十分とはいえません。工事、放置自転車、段差、側溝、冠水しやすい場所など、災害時の経路には普段と異なる危険が生じます。
晴れた日の明るい時間に、家族、近隣の人、同行援護従業者などと避難場所まで歩き、入口、受付、トイレ、音の目印を確認しておきましょう。自宅から一つの経路しか考えないのではなく、可能なら別の経路も確認します。災害発生時には、地図アプリだけで判断せず、自治体の避難情報と現場の安全を優先してください。
避難所に着いた後も、初めての場所ならではの居心地の悪さや不安があります。特に、「トイレがどこにあり、そこまでの動線はどうなっているのか」「食事や飲料水、支援物資はどこで、どのように受け取るのか」「館内放送以外の情報はどう確認するのか」は、早めに把握したいポイントです。
受付では視覚障害があることを伝え、可能であれば担当者と一緒に、滞在場所からトイレ、受付、出入口までを一度歩いて確認しましょう。その際、右・左だけでなく、「十歩ほど進んだ先」「マットの手前」「壁沿い」といった具体的な言葉で案内してもらうと、位置関係を把握しやすくなります。通路に荷物が置かれた場合は配置が変わるため、変更時に知らせてもらえるよう頼んでおくことも大切です。
食事や物資の配布が掲示だけで案内されると、情報に気づけない可能性があります。「配布が始まったら声をかけてほしい」「掲示が変わったら内容を読み上げてほしい」と、必要な支援を具体的に伝えましょう。避難所運営側にも、音声、個別の声かけ、大きな文字など、複数の方法で情報を届ける配慮が求められます。
7.「手伝ってほしいこと」を短い言葉にする
災害時は、周囲の人も焦っています。「視覚障害があります。右肩につかまらせてください」「段差の手前で止まり、上りか下りかを教えてください」「掲示内容を読み上げてください」のように、必要な支援を具体的に伝えられると、お互いに動きやすくなります。
反対に、支援する人は、いきなり腕や白杖をつかまず、まず声をかけて本人の希望を確認してください。「何かしましょうか」だけでなく、「避難所の入口まで案内できます。どのような案内がよいですか」と伝えると、選択しやすくなります。
8.持ち出し品を触って区別できるようにする
非常用持ち出し袋には、水、食料、常備薬、衛生用品、ライト、笛、予備の白杖や石突、充電器など、本人に必要なものを入れます。中身を同じ形の袋に分けると見分けにくいため、輪ゴムの本数、触覚シール、袋の素材などを変え、触って区別できるようにしましょう。
薬は種類や服用方法を確認できるようにし、使用期限も定期的に点検します。白杖、眼鏡、遮光眼鏡、ルーペ、補聴機器など、生活に欠かせない物は「避難時に忘れない物」として玄関付近の安全な場所にまとめておくと安心です。
9.生成AIは「準備の補助」に使い、避難判断を任せない
生成AIは、防災用品のチェックリストを自分向けに整理する、家族との連絡ルールを短くまとめる、難しい文章をやさしい言葉に直す、といった平常時の準備に活用できます。画像を説明する機能が、掲示物の概要を知る助けになる場合もあります。
しかし、生成AIの回答には誤りや古い情報が含まれる可能性があります。現在地の危険度、避難指示、避難所の開設状況など、命に関わる判断をAIだけに任せてはいけません。災害時は気象庁、自治体、消防、警察などの最新情報を確認し、複数の信頼できる情報源を使いましょう。
10.月に一度「音声だけの防災テスト」をする
準備は、一度行って終わりではありません。アプリの更新、機種変更、避難場所の変更などによって、以前の手順が使えなくなることがあります。
月に一度、次の5項目を試してみてください。
- 読み上げ機能をすぐに起動できる
- 家族や支援者に電話やメッセージを送れる
- 自治体の防災情報を開ける
- モバイルバッテリーから充電できる
- 持ち出し袋から必要な物を触って取り出せる
目を閉じる訓練をする必要はありません。普段使っている読み上げや拡大の状態で、停電や通信障害を想定して操作することが大切です。できなかったことが見つかれば、それは失敗ではなく、災害が起きる前に改善点を発見できたということです。
今日30分で始めるなら
まず10分で、緊急速報と自治体の情報が受け取れるかを確認します。次の10分で、緊急連絡先と171の使い方を家族と共有します。最後の10分で、モバイルバッテリーを充電し、白杖、薬、充電ケーブルの置き場所を決めましょう。
防災で大切なのは、完璧な道具をそろえることではありません。「情報を受け取る」「助けを求める」「安全な場所へ移動する」という三つの行動を、自分に合う方法で繰り返し確認することです。スマートフォンを頼れる道具にしながら、紙、ラジオ、人とのつながりも組み合わせておきましょう。
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