全盲だけでなく弱視の方も持ち歩いている白い杖。
“白い杖”と書いて、「白杖(はくじょう)」と読みます。
この白杖の世界、実はとても奥が深い。
せっかくなので、今まで街でなんとなく目にしていた方々にも知ってもらえるように、白杖についての情報をまとめてみました!
また、白杖を持つ当事者の気持ちについても紹介していきます。
白杖の役割・種類・選び方・購入費用
役割とは
視覚障害者が持っている杖、白杖(はくじょう)。
白杖には、主に以下の三つの役割があります。
- ①周囲の障害物や段差を杖で探りながら、安全に歩行するため
- ②白杖を持つことで、周囲に注意を促すため
また白杖には、夜間走る車のライトに反射するテープも貼ってあるので、夜の歩行も安心。
(よーすけ曰く、友人と写真撮影をする際、フラッシュで写真を撮ると、白杖が反射して面白い写真が撮れるらしいです(笑))
白杖の主な種類
白杖は、構造と目的によって主に次の種類に分けられます。初めて選ぶ場合は、歩行訓練士、視覚障害者情報提供施設、補装具取扱店などに相談し、実際に持って試すことをおすすめします。
- 直杖(一本杖):つなぎ目がなく、路面からの情報が伝わりやすく耐久性にも優れます。
- 折りたたみ杖:数段に折りたためて携帯性に優れますが、直杖より情報伝達性や強度に差があります。
- 伸縮式:アンテナのように伸縮します。長さを変えやすく携帯に便利ですが、歩行用としての強度を確認して選びます。
- シンボルケーン:視覚障害があることを周囲へ知らせる役割を重視した、細く軽い白杖です。振って歩く用途には向かない製品があります。
- 身体支持併用杖(サポートケーン):身体を支える杖と、視覚障害を知らせるシンボルの役割を兼ねます。
参考:日本点字図書館「白杖の選び方」、日本歩行訓練士会「白杖について」
長さと石突きの選び方
歩行用白杖の長さは、地面から脇の下付近、または身長から約40cmを引いた長さが一般的な目安です。ただし、体格、歩幅、歩く速さ、使い方によって適切な長さは変わります。杖先の石突きにも複数の形があるため、使用環境に合わせて選びましょう。
購入費用と補装具費支給制度
通常の白杖は、購入費 約4,000円〜7,000円程度。
丈夫なカーボンを使って折れにくくしている物や、素材を軽くして持ち歩きやすくしている物もありますが、それらは高額になる傾向があるようです。
そして白杖は消耗品。
人の足に引っかかったり、自転車に巻き込まれたり、ちょっとした負荷がかかることで折れてしまいます。
見えない人が日常的に使用するものなので、定期的な買い替えが必要になります。

俺の場合は約1年に1回程度は買い替えてるかな。
折れたり、中のゴムが切れちゃったりするんだ。
障害区分や程度、自治体や本人の所得にもよりますが、購入費には補助もあります。
また、外出中に折れてしまった場合、応急処理として簡単に補強できるギブスのような部品も500円程度で売っています。
よく折れてしまう人は、持ち歩くことをお勧めします。
白杖を持って歩く時に生じる気持ち

子どもの頃は、白杖を持っているとじろじろ見られるから、持ち歩くことにすごーく抵抗感があって、あまり持ってなかったんだ。
それに、白杖を持っていると、見えないことで弱い自分になってしまいそうでさ・・・
本当はそんなことはないんだけど、なんだか嫌だったんだよね。

(友人)
でも、同じように考える人は少なくないんじゃないかな。
特に”見えにくい”人とか、まだ見えないってことを受け入れたくない気持ちの人もいるだろうし、周囲の目とか気にしちゃうよね。
見えない人・見えにくい人の中には、何らかの事情があって、白杖を持ち歩きたくないという人もいるのではないでしょうか。
特に子供の時は”周囲との違い”に敏感になり、抵抗を持ってしまうことも多いかと思います。
よーすけの場合は中学生の後半から、ほぼ見えなくなって、一人で歩くのが怖くなったので、やむを得ず、白杖を持ち始めました。
持ち始めてからは周囲の目などは気にならない、気にしても仕方がないという考えに至りました。
迷っている方は安全のためにも持ち歩くことをお勧めします。
見えない、見えなくなるという事実を受け入れるということは、簡単なことではない。
上手く表現できないですが、よーすけと同じく、当事者の方はきっと、想像以上の色々な気持ちを抱いているかと思います・・・
白杖に関する道路交通法のルール
道路交通法第14条では、目が見えない人が道路を通行するとき、政令で定める杖を携えるか、政令で定める盲導犬を連れることが定められています。道路交通法施行令第8条では、その杖を白色または黄色としています。
同条には、目が見えない人以外でも、政令で定める程度の障害がある人が該当する用具を使う場合について規定があります。「視覚障害がなければ白い杖を持つことはすべて禁止」と単純化せず、条文の対象を正確に理解することが大切です。
道路交通法第71条では、白色または黄色の杖を携えた人や盲導犬を連れた人が通行している場合、車両の運転者は一時停止または徐行し、その通行を妨げないようにすることが定められています。
白杖を自分らしく使う工夫と新しい技術
白杖に反射テープや目印を付け、自分のものだと分かりやすくしたり、好みのデザインを楽しんだりする人もいます。ただし、歩行時の操作、反射材の視認性、折りたたみ部分、石突きの交換を妨げないようにしましょう。
近年は、障害物を振動で知らせる電子機器、スマートフォンと連携する機器、AIを使った周囲の説明やナビゲーションも登場しています。提供地域、価格、対応言語、精度は変化が早く、安全を保証するものではありません。白杖、盲導犬、歩行訓練、同行援護と組み合わせる補助的な手段として検討してください。
まとめ:視覚障害者と白杖について

白杖は毎日持ち歩くものだから、軽くて丈夫なものが1番!
いかにストレスなく、利用できるかが大事なんだ。

(友人妻)
見える人だって荷物が多くて重いと大変だし、そこに白杖の重さも加わったら、更に大変だもんね。
視覚障害者にとっては重要なものだから、法律でもちゃんと定められていることを知れて、安心したよ。
視覚障害者にとっては大切な白杖。
「白杖を持っているから、目が見えない方なんだな」というところまでは、みなさん認識していると思いますが、様々な決まりがあるんですね。
スマート白杖が開発されているというのも驚き!!
近い将来、視覚障害者がもっと安心・安全に、そして日常的に、より便利な白杖を使える未来がくるかもしれない♪
そんな中、白杖を持っていても怖い場面も・・・
急いで歩いている人や自転車が、白杖や視覚障がい者に気づかずぶつかり、白杖が折れてしまう・怪我をしてしまうケースも実際に起きています。
社会全体での施設・設備のバリアフリー化もそうですが、同じように街を歩き、様々な施設を利用する人同士として、白杖を持った方々への配慮は本当に必要。
気持ちのバリアフリーも、大切にしていきたいですね。
視覚障害者にとっての、”白杖を持つ”という複雑な気持ちや、法律での位置づけ。
一方で、ファッションアイテムの一種や技術との新しい白杖の世界。
見えても、見えなくても、感じていただけたら嬉しいです!


