次回の和気愛Eye(わきあいあい)の会は、2026年10月10日(土)。テーマは「視覚障害者の転職」です。
視覚障害のある方、ご家族、支援者がオンラインで集まり、仕事や暮らし、通院の疑問を持ち寄る交流会です。網膜色素変性症以外の病気による視覚障害のある方も大歓迎です。
更新:2026年9月13日/最新の開催報告:9月12日
和気愛Eyeの会とは|一人で抱えていた疑問を、次の一歩へ
「白杖を使い始めるきっかけは?」「職場には、見えにくさをどう伝えた?」「治験のニュースを見たけれど、自分は対象になるの?」。制度の説明や病院での診察だけでは聞き切れない疑問を、当事者同士でゆっくり話せる場が、With Blindの和気愛Eyeの会です。
会では、飲み物を手元に置いて気軽に話し、経験の違いもそのまま受け止めます。発言はできる範囲で構いません。知識を持っている人だけの集まりではなく、「何を尋ねればよいか分からない」という段階でも参加できます。
ほかの人の経験を聞くと、自分の困りごとを具体的な言葉にできることがあります。たとえば「仕事が不安」が「資料を音声で読める形式にしてほしい」に、「病院を変えたい」が「遺伝学的検査について相談したい」に変わる。その小さな整理が、次の相談につながります。
特定の治療や考えを押し付けず、個人の体験と確認できた情報を分けて話すことを大切にしています。この記事も、発言者の氏名、勤務先、居住地、個人と結び付く病歴を省いてまとめています。
次回開催|10月10日「視覚障害者の転職」
転職で変えたいこと、今の職場で続けたいことを、一緒に考えませんか。次回は、転職への期待、職場での不満や不安、キャリアアップをテーマに話し合います。
民間企業の法定雇用率は2026年7月1日から2.5%から2.7%へ引き上げられました。雇用の機会が広がるなかで、視覚障害者が希望する仕事や必要な配慮にどうつながっているのか、皆さんの経験を持ち寄ります。制度の背景:厚生労働省・福岡労働局「障害者の法定雇用率引き上げのお知らせ」。
- 転職で実現したいことは、仕事内容、待遇、通勤、働く時間のどれ?
- 今の職場で困っていることは、配慮や業務の見直しで変えられる?
- 経験や得意なことを、次の仕事にどう伝える?
- 見え方の変化に備え、今から学びたいことは?
開催日:2026年10月10日(土)/開催方法:オンライン。視覚障害のある方、ご家族、支援者ならどなたでも参加いただけます。網膜色素変性症以外の方、聞くことを中心に参加したい方も歓迎します。
参加方法や開始時刻などは、With Blindのお問い合わせ窓口へ「10月10日の和気愛Eyeの会について」とご連絡ください。
最新の開催報告|9月12日、7人で語った治療・治験・病院選び
9月12日は7人が参加しました。冒頭で「意見を押し付けず、話せる範囲で情報を持ち寄る」という進め方を共有。「ほかの人はどんな薬を使っているのか」「治験の情報はどこで探せるのか」といった身近な疑問から、通院先や白内障手術の相談へと話が広がりました。
同じ病名でも、処方されている薬や医師から受けた説明はさまざま。初めて耳にする情報に質問が重なり、情報そのものと同じくらい「自分の場合はどこに確認すればよいか」が大切なテーマになりました。詳しい内容は、以下を開いてお読みいただけます。
9月12日の詳しい記録|薬・治験・通院の疑問と、確認のヒント
薬の体感が違うからこそ、処方の目的を聞く
アダプチノールやカリジノゲナーゼなど、処方薬の話題が出ました。服薬を続けている場合も、医師と相談して使っていない場合もあり、「少し見えやすく感じる」という体験と、効果を実感しにくいという話が並びました。
ここから得られるのは、他の人と同じ薬を選ぶ答えではなく、自分の処方について尋ねる手掛かりです。次の受診では「何を目的に使う薬か」「どのように効果を確かめるか」「気を付ける副作用はあるか」を聞くと、説明を理解しやすくなります。体感だけでは薬の効果や病気の進行を判断できないため、服薬の変更やサプリメントの使用は医師・薬剤師に相談してください。
治験は、ニュースの見出しと参加条件を分けて読む
慶應義塾大学に関連する治験やレストアビジョン、神戸アイセンターのiPS細胞研究、大阪大学に関連する人工網膜の研究などが話題になりました。治験への参加を期待して相談しても、検査後に対象外と分かることがある、という経験も共有されました。
話題になった研究の公式発表をすぐ読む
2026年9月13日時点で確認した、各研究の最新の関連発表と背景資料です。リンクから発表本文を開けます。
- 慶應義塾大学・レストアビジョン|RV-001の治験
2026年5月1日:RV-001のFirst-in-Human治験における中間結果を発表(レストアビジョン)。初めて人に投与する治験の中間結果を報告しています。慶應義塾大学で実施されている治験と、レストアビジョンのRV-001は同じ研究です。開始時の背景は、2025年2月13日:1例目の患者への投与完了(慶應義塾大学)で確認できます。 - 神戸アイセンター|iPS細胞由来の網膜シート
2023年12月8日:iPS細胞由来網膜シート移植後2年の細胞生着および安全性を確認(公式発表・PDF)。網膜色素変性症の患者2人を対象とした臨床研究の成果です。
より新しい関連研究:2026年7月23日掲載:ゲノム編集型ヒトES細胞由来の網膜シート移植により、サルの黄斑部で2年間の長期的な神経回路回復を実証(公式発表・PDF)。こちらはES細胞を用いたサルの研究で、人のiPS細胞臨床研究とは研究段階も細胞の種類も異なります。 - 大阪大学医学部附属病院・ニデック|STS型人工網膜
2026年9月11日:STS型人工網膜システムの企業治験実施のお知らせ(ニデック)。大阪大学医学部附属病院で2026年3月と7月に計2例の植込み手術を実施し、長期的な安全性と視機能への有効性を評価する治験について説明しています。
発表日が新しいことと、自分が参加できることは別です。募集状況や参加条件は、各研究の実施機関と主治医に確認してください。
参加者間では、募集要項の受け止め方にも違いがありました。そのため、会で聞いた視力の数値や合併症に関する話を、すべての治験に共通する条件として捉えることはできません。研究ごとに目的、対象、検査、通院回数が違うため、実施機関の案内で確認することが必要です。
医療情報の補足:網膜色素変性症のすべての人に使えて、失われた視機能を元に戻す治療が確立しているわけではありません。一方、特定のRPE65遺伝子変異に関連する病気には、日本で承認された遺伝子治療があります。「治療は一切ない」と一括りにせず、自分の病型や適応を専門医に確認することが大切です。出典:難病情報センター「網膜色素変性症」、PMDA「ルクスターナ注・承認審査情報」。
インターネットやAIで検索する方法、日本網膜色素変性症協会(JRPS)、主治医、地域の視覚障害者向け施設から情報を得る方法も挙がりました。検索結果は入口として使い、元の発表日と研究機関の説明まで確認します。会で話題になった研究の承認時期や効果について、未確認の見通しは掲載していません。
| 確認すること | 尋ね方の例 |
|---|---|
| 研究の目的 | 安全性の確認が中心ですか。どの機能の改善を調べますか。 |
| 参加条件 | 病型、遺伝子、見え方、合併症について、どんな検査が必要ですか。 |
| 募集状況 | 現在も募集していますか。案内はいつ更新されましたか。 |
| 生活への影響 | 通院回数、期間、費用、付き添いの必要性を教えてください。 |
町の眼科と大学病院は、相談の目的で考える
通いやすさを重視して地域の眼科に通う話、専門的な検査や研究情報を求めて大学病院を検討する話がありました。「大学病院なら何でも分かる」とは限らず、相談したい分野と診療内容が合っているかが大切です。
当日は、東京慈恵会医科大学、慶應義塾大学病院、神戸アイセンター、国立障害者リハビリテーションセンター病院などの名前が挙がりました。病院名は情報を探す手掛かりとして掲載し、特定の医師への評価や推薦は省いています。
| 相談先 | 相談したいことの例 | 受診前に確認すること |
|---|---|---|
| 地域の眼科 | 日々の見え方の変化、処方、継続的な経過観察 | 必要な検査や専門機関への紹介について相談できるか |
| 大学病院・専門外来 | 病型、専門検査、遺伝相談、研究情報 | 専門外来の対象、紹介状、予約方法 |
| ロービジョン外来 | 読書、移動、まぶしさなど生活の困りごと | 補助具や訓練について相談できる内容 |
これは相談目的を整理するための目安で、診療内容は医療機関ごとに異なります。国立障害者リハビリテーションセンター病院では、眼科診療とロービジョンケアを案内しています。出典:同病院「眼科(ロービジョンクリニック)」。
白内障手術は「する・しない」の前に、期待と不安を整理する
白内障手術については、術後の見え方への不安や、別の医療機関でも説明を聞きたいという声がありました。他の人の経過だけで、自分の手術結果を予測することはできません。
診察では「今の見えにくさに白内障はどの程度関係しているか」「手術で期待できる改善とリスクは何か」「術後はどのように経過を確認するか」を聞くと、判断の材料を整理できます。難病情報センターも、網膜色素変性症がある場合の白内障手術について、得られるものとリスクを医師と相談して方針を決めることを説明しています。出典:難病情報センター「網膜色素変性症」第8項。
この回から持ち帰りたいこと:新しい情報を知ったら、自分に関係する条件と確認先までセットでメモする。期待や不安を一人で抱えず、次の診察で尋ねたいことに変えていくことができます。
過去の開催記録|4月からの話題を時系列で
白杖や日常生活の悩みから、仕事、支援技術、福祉サービスへと、話題がつながってきました。各日付を開くと、当日の様子と暮らしに生かせるヒントが読めます。
2026年4月18日|白杖を使うタイミングと、暮らしの備え
安全のために必要だと思っても、気持ちが追いつかない
白杖を持つことへのためらいと、人混みで周囲に見えにくさを知らせる助けになったという経験が交わされました。単に「使った方がよい」と結論づけるのではなく、周囲の目が気になる気持ちも話題になった回です。歩行訓練を受けた経験も紹介され、道具の準備と使い方の相談を一緒に考えるきっかけになりました。
話は、子育て、一人暮らし、仕事を続けるかどうかにも広がりました。見えにくくなってからすべてを一度に変えるのではなく、頼れる人や相談先、楽しめる活動を少しずつ増やす視点が共有されました。
遺伝学的検査では、費用だけでなく「結果から何が分かるのか」「説明をどう理解するか」が疑問として挙がりました。個人が支払った金額を一般的な費用とはせず、検査の目的、費用、結果説明の方法を医療機関で確認することが大切です。
暮らしに生かすヒント:「人混み」「夕方の道」「初めての場所」など、不安を感じる場面を三つ書き出すと、白杖や移動の相談を具体的に始めやすくなります。これは当日の話題から整理した実践例です。
2026年5月16日|働き続けるための合理的配慮とキャリア
伝えた配慮が、担当者の交代後も続くには
職場での困りごとを、具体的な業務や環境に沿って掘り下げました。固定席、通路に置かれた物、薄暗い場所、読み上げ・拡大ツールなどが話題に。病名を伝えるだけでは、周囲に必要な対応が伝わらないことが見えてきました。
部署の異動や上司の交代で、以前伝えた配慮が引き継がれない問題も取り上げました。希望する配慮とその理由を文書に残し、本人が望む共有範囲を確認しながら、上司や人事と定期的に見直すという考えが出ました。
将来のキャリアについては、これまでの専門性を生かす道、業務の調整、新しいスキルの習得などを検討。職種を一律に勧めるのではなく、本人の得意なことと、必要な支援の組み合わせから考える回になりました。
仕事に生かすヒント:「困る場面・難しい理由・希望する対応」を一組で書いてみます。たとえば「画像だけの資料は読めないため、文字データでも共有してほしい」。これは説明を具体化するための編集例です。
2026年6月20日|AIグラスでできることと、見え方の伝え方
便利さを、使いたい場面ごとに確かめる
MetaとRay-BanのAIグラスを使った経験が紹介され、郵便物や食品ラベルを音声で確認する使い方に質問が集まりました。一方、応答の待ち時間や読み取りの不確かさも話題となり、文字を読む場面と、歩行中に安全を判断する場面を分けて考える必要性が見えてきました。
ここに記したのは当時の利用体験です。現在の販売状況や日本語対応を示すものではありません。AIの読み取り結果だけで食品の安全や道路の安全を判断せず、別の確認方法と組み合わせて使います。
後半は、見え方の変化と職場への伝え方へ。視力の数字だけでは伝わりにくい「文字が読みにくい」「視野の外の物に気付けない」といった困難を、資料や具体的な場面で説明する工夫が共有されました。
暮らしに生かすヒント:新しい道具は「自分が何をしたいか」「うまくいかなかったときはどう確かめるか」の二つから考えると、期待と実際の使い道を整理できます。
2026年8月15日|同行援護・居宅介護を、生活場面から考える
コンサートや旅行で、誰が何を負担するのか
8月は同行援護と居宅介護を取り上げました。コンサートでガイドも入場する場合のチケット代、外出中の交通費や食事代、家族と一緒に出かける場合、旅行先で単発の支援を探す方法など、利用を想像すると出てくる具体的な質問が続きました。
制度上のサービス費と、外出先の入場料・交通費などの実費は分けて確認する必要があります。説明を聞くだけでなく、自分の行き先や行程を事業所に伝え、負担と対応範囲を事前に確かめることが、安心して利用する準備になります。
| 項目 | 同行援護 | 居宅介護 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 外出時の移動、視覚情報の提供、必要な援助 | 自宅での身体介護、調理・洗濯・掃除などの家事援助 |
| 相談の例 | 買い物で商品の表示を確認したい | 食品や郵便物の確認を含め、家事の支援を相談したい |
| 確認先 | 市区町村の障害福祉窓口、相談支援専門員、サービス提供事業所 | |
表は厚生労働省「障害福祉サービスの内容」をもとに作成。相談例は編集部によるもので、利用の可否や範囲は支給決定と個別の計画などによります。
また、同行援護の依頼や連絡をオンラインで行う「ビジョンガイド」の構想も紹介されました。会では、制度を知っていてもガイドが見つからない地域の課題と、依頼しやすい仕組みをつくる必要性が話題になりました。
相談前に作る「困りごとメモ」
- いつ・どこで:通院日、自宅から病院までなど。
- したいこと:診察を受ける、商品を選ぶ、書類を読む。
- 難しい工程:経路、掲示、細かな文字、整理。
- 自分でできること:医師への説明、支払い、調理の一部。
- 頼みたいこと:誘導、代読、確認、共同作業。
たとえば「月2回の通院で、移動と受付番号の確認を頼みたい。医師への説明と会計は自分でできる」と伝えます。この例は相談用に編集したものです。
利用までの流れ:市区町村へ相談 → 必要な支援の聞き取り・計画 → 支給決定と受給者証の確認 → 事業所との契約 → 利用後の振り返り。手続きは地域や状況によって異なります。
暮らしに生かすヒント:支援は「全部任せる」だけではありません。本人が選びたいこと、できる工程、手伝ってほしい工程を分けると、自分に合う頼み方を考えやすくなります。
掲載した過去回は、4月18日・5月16日・6月20日・8月15日のZoom議事録と既存記事で確認したものです。7月分は今回確認した記録に該当する議事録がなく、内容を推測して補っていません。
初めて参加する方へ
話を上手にまとめたり、詳しい情報を用意したりする必要はありません。「今、少し気になっていること」を一つ持ってきてください。話したくないことは話さず、聞くことを中心に参加していただいても構いません。
次回は10月10日(土)、テーマは視覚障害者の転職です。病名や立場の違いを越えて、働き方やこれからの暮らしを一緒に考えましょう。参加について問い合わせる。
記事の作成資料:2026年9月12日のPlaud記録・Zoom記録、各過去回のZoom議事録、既存の開催記事。会の内容と、読者向けに整理した実践例・公的情報の補足を区別して掲載しています。録音、会議への参加リンク、個人を特定する情報は公開していません。公的情報の確認日:2026年9月13日。


